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オススメ書籍vol.1 落合陽一『超AI時代の生存戦略』

今回のオススメ書籍

『超AI時代の生存戦略 2040年代シンギュラリティに備える34のリスト』

  • 現代の魔法使いといわれる落合陽一氏がこれからくる世界について34のキーワードで表現
  • 機械が人間の能力を超えるシンギュラリティが2040年代に起き、機械が人間味を帯びてくる可能性がある
  • 人間が「人間らしく」生きる時に大事なのは「趣味性」と「遊び」になる

機械が人間性を帯びたとき、人間は人間らしく生きられるのか

筑波大学の助教授でメディアアーティスト、最近は「現代の魔法使い」と呼ばれることの多い落合陽一氏が本書の著者。魔法使いと呼ばれる由来は、下記の動画のように空中に光でハートを描き、それを指で触れるようにするという夢のようなインスタラクションを実現してしまうからだ。

研究者としての実力と、あっと驚くような発想力を持つ落合氏が、これからの時代をどのように読み解いていくのか。非常に興味をそそられて本書を読んだ。本書の内容は「脳へのフレームのインストール」をするようなものだと落合氏が書いているように、非常に読み応えのある1冊だった。

2040年代にシンギュラリティ(技術的特異点。一般的にはAIが人間の能力を超える時点と解釈される)が起こったら、人間は機械に職を奪われてしまうのか。このトピックはだいたい「人間は、機械にはできないクリエイティブなことをすればいい」という結論に着地しがちだが、何がクリエイティブなのかに言及しなければ、この結論はただの思考停止だと落合氏はいう。

「超AI時代」のコンピューターは、ディープラーニングにより、絵も描くし、文章も綴る。機械だってクリエイティブになってくる。人間の感情や心のメカニズムが解明されたら、エモーションを再現できる機械も出てくるだろう。機械が人間性を帯びてしまったら、人間はどうやって人間性を担保したらいいのか。人間でありながら、ただ生きているだけでは人間らしいと認められなくなるかもしれないというスリリングな変化が、今の時代に我々が直面していることなのだ。

では何をすることが人間らしいのか。面白いのは、「遊び」がキーワードになることだ。機会は遊ばないし、指示を出されなければ動かない。でも、誰に強制されるわけでもないがやってしまうことが人間にはある。意思や欲望、モチベーションがあるのが人間なのだ。

これまでは、自分のやりたいことを抑え、社会が求めることをやり、競争に勝てる人が自信を持つことができたかもしれない。けれども、これからの世界では、競争心はむしろ邪魔になる。競争ではAIが絶対的に有利だからだ。競争に勝つことや他者からの承認欲求に基づく生き方ではなく、他者と比べず自分のやりたいことを淡々とやるマインドセットが必要だ。その先に、コンピュータにはできない価値の提供ができる可能性が生まれる。

本書では、そうした世界でどう戦略をとっていけばいいのかという方法もさまざまな角度から書かれている。それは本書を手にとって確かめてほしいが、私が感銘を受けたのは、落合氏の人間に対する暖かい眼差しだ。シンギュラリティに不安を感じる人もいるかもしれないが、人間らしく生きるということは本来ハッピーであることを思い出させてくれる。

「様々な事象を整理し、受け取れるようにしておくことは、多くの人々にとって、自らの哲学的、そして情報科学的時流に対する立脚点を持つことにつながる」と書いてあるように、本書を読み現状を整理することは「根拠のない不安が生み出す悲観的なディストピアより、テクノロジーの流動性がもたらすプロトピア(編集部注:昨日よりもいい状態のこと)の方向に向かって」いくうえで役に立つだろう。

SmartHacks Magazineもプロトピアを目指していければ幸いである。

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SmartHacks Magazine 編集部

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