日本と世界のIoT活用事例39選~スマート家電から産業事例まで~

この記事ではIoT(Internet of Things・モノのインターネット)の活用事例として、個人ですぐに購入できるIoTデバイスから、企業が取り組んでいる産業の事例までをご紹介していきます。

「IoTって具体的にどんな事例があるの?」「IoT商品を実際に使って見たい」「自分達でもできるIoT事例を知りたい」という人はぜひ参考にしてください。

目次

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スマートデバイス9選~Amazonで買えるIoT商品~

様々な活用が進むIoTですが、「実際に自分で試してみたい」という人も多いと思います。現在、IoT商品は多くの家電量販店やECサイトで販売されていますが、ここではAmazonで購入可能なIoT製品からオススメの商品を9つをご紹介します。

日用品が無くなった瞬間にボタン一つで注文「Amazonダッシュボタン」

Amazonダッシュボタン

ネット通販最大手のAmazonが提供しているAmazonダッシュボタンは、日用品をボタン一つで注文できるIoTデバイスです。ボタンを押すと、即、対象商品の注文が完了する仕組みです。2017年8月現在の取り扱い商品は100種類を超え、さらに増え続けています。シャンプーやビール、洗剤、トイレットペーパー、髭剃りの替刃など、毎日使うような日用品や飲料水が主な対象です。いちいちパソコンやスマホから注文しなくても良い時代が近い将来やってくるのでしょうね。

スマホ1台で家中の家電を操作できる「eRemote」

eRemote

eRemote(イー・リモート)は、自宅にある様々な家電のリモコン操作をスマホでできるようにするIoTプロダクトです。タイマー機能で好きな時間にオン/オフの設定をしたり、エアコンや電気を切り忘れても遠隔操作で外出先からでも電源をオフにできます。

「失くす」を無くすIoTプロダクト「MAMORIO」

MAMORIO

MAMORIO(マモリオ)は、失くし物を簡単に見つけられるようにするIoT製品です。50グラムと軽量なので、鍵や財布、鞄等の重要なモノに取り付けましょう。スマホとペアリングさせ、MAMORIOの位置情報を5秒おきにBluetoothでスマホに発信します。最後に信号をキャッチした地点を教えてくれるので、紛失した時の場所が推定できます。さらに、MAMORIOアプリを使っている他人が自分の落とした物の近くを通過すると、その場所を紛失者本人に通知してくれるユーザー同士のトラッキング機能も備わっています。

スマホでオン/オフをコントロールできるIoT乾電池「MaBeee」

MaBeee

MaBeee(マビー)は、スマホで電源のオン/オフをコントロールできるIoT乾電池です。動くおもちゃにセットすれば、手元でおもちゃを動かしたり止めたり自由に操作できます。速度もコントロールできるので、ミニ四駆やプラレールといったおもちゃに入れて遊んだりできます。MaBeeeの可能性は無限です。あなただけの特別な使い道を探してみて下さい。

スマホでドアの鍵を開閉できるスマートロック「Qrio」

Qurio

Qrio(キュリオ)は、ドアに装着するだけで、スマホでドアの鍵の開け閉めができるスマートロックです。物理的な鍵がなければ開け閉めできない従来のドアと違い、デジタルな情報(アクセス権)でドアの鍵をコントロールできます。例えば宿泊施設や部屋の内見時では、リモートでもアクセス権を渡せるので、対面で鍵を渡す必要がなくなります。

窓の戸締まりをスマホでチェックできる「leafee mag」

leafee mag

leafee mag(リーフィー・マグ)は、窓やドアに取り付れば、スマホで戸締りを確認できるIoTセキュリティ製品です。ドアや窓の閉め忘れはもちろん、もし泥棒が侵入した場合にもいち早く知ることができます。leafee magが世の中から悪意のある侵入者を一掃してくれるかもしれませんね。

今日傘は必要?ライトの色で知らせてくれる傘立て「Umbrella stand」

Umbrella stand

Umbrella stand(アンブレラ・スタンド)は、スマホと連携して降水確率の高い日に青色のライトで傘が必要なことを教えてくれるIoT傘立てです。反対に、晴れの日はオレンジで傘がいらないことを直感的に判断できるようにしてくれるスマートなIoT商品です。雨に恐れる日々から解放されましょう。

鉄腕アトムを現世に生み出す「週間 鉄腕アトムを作ろう!」

週間 鉄腕アトムを作ろう!

週間鉄腕アトムを作ろう!(全70巻)は、毎週届くアイテムを組み立てて、アトム型のコミュニケーションロボットを自ら作り上げるIoTキットです。人工知能が搭載されており、最大12名を認識して個別に会話でコミュニケーションします。歌ったり、踊ったり、2足歩行したり、ロボットのいる生活を体験できる近未来のプロダクトです。

加速度センサー内臓のスマートサッカーボールでスキル向上「smart ball」

smart ball

スポーツの世界にもIoTの波が押し寄せているようです。smart ball(スマート・ボール)は、アディダスが販売している加速度センサー付きのサッカーボールです。「smart ball」には、キックのスピードや回転数を可視化する機能がついていて、専用アプリを使えばゲーム感覚でフリーキックスキルを向上することができるでしょう。

IoT家電・スマートハウス分野のIoT活用6事例

現在、IoTとして最も一般的に認知されているのは、家の中で使うIoT家電ではないでしょうか?IoT家電は別名、スマート家電とも呼ばれています。スマートフォンに繋ぐだけで外出先でも家電をコントロールできるデバイスなど、様々なIoT家電が登場しています。さらに、IoT家電で家全体をIoT化することを「スマートハウス」と呼びます。上の動画では、人の動きに対応して、ガレージが開いたり、電気が点灯したり、鍵をかけたりといったスマートハウスのコンセプトが描かれています。

住人の好みを察して自動で温度調節「Nest Thermostat」

Nest Thermostat

Nest Thermostat(ネスト・サーモスタット)は、自宅の温度管理をしてくれるIoTデバイスです。温度センサーとエアコン・ヒーターが連動し、住人の好みや季節の変化に応じて最適な温度に調整してくれます。また、独自の人工知能が起床時間や帰宅時間を学習することで、住んでいる人の生活リズムに合わせて適切な温度設定をしてくれます。さらに、自宅に人がいない時はエアコンの電源をオフにするなど、省エネ効果も期待でき、電気代やガス代を20%節約してくれるとのことです。

自宅の家電とスマホを連携「au HOME」

au home

KDDIは、自宅の家電とスマホを連携させるサービス「au HOME(エーユー・ホーム)」を提供しています。au homeでは、子供の帰宅時に親のスマホに通知が届くネットワークカメラを始め、様々なIoTデバイスを導入していくようです。外出先から鍵のかけ忘れをチェックしたり、ペットの様子を確認したりといったサービスが揃っています。

家中の全てのスイッチをスマホで操作「マイクロボット・プッシュ」

マイクロボット・プッシュ

とても単純なのですが、家中のスイッチをスマホでオン/オフできるIoTデバイスがマイクロボット・プッシュです。

自宅の照明やエアコン、手が届きにくい場所にある家電まで、全てのスイッチに両面テープを貼って取り付けられます。帰宅前に湯船にお湯を張っておくといった使い道もありますし、体の不自由な人にとっても嬉しいIoTデバイスでしょう。

加速度センサー付きのベッドでパートナーの浮気を検知しスマホで通知「Smarttress」

Smarttress
Smarttress(スマーットレス)は、ベッドで不自然な動きを感知した時に通知してくれるスマートなマットレスです。何のために通知が必要なのかと言えば、パートナーの浮気を知るためだそうです。現代社会で隠し事をするのは非常に難しくなってきているようです。

空気の汚れ具合に応じて空気清浄機を自動制御「Blueair Aware」

Blueair Aware

Blueair Aware(ブルーエア・アウェア)は室内の空気の汚れ具合を常に計測してくれます。スマホと連携させることで、部屋の空気の状態がわかります。必要に応じて窓を開けたり、空気清浄機をつけたりと、実内の環境を過ごしやすい状態にすることが出来ます。また、同社の空気清浄機はBlueair Awareと連携し、室内環境の状態に応じて自動で動く仕組みを提供しています。

地震時に自動点灯するIoTLEDライト「MAmoria it」

MAmoria it

震度4以上の地震が起こった時に、自動点灯するデバイスMAmoria it(マモリ・アイ)は、ホルダーから取り外して懐中電灯としても使える仕様になっています。もし停電が起こってもすぐに対応してくれる助かるデバイスです。

スマートシティ分野の活用6事例

ここからは自宅を飛び出して、街中をスマートにしようとする取り組み「スマートシティ」分野でのIoT活用事例を見ていきましょう。日本においては、少子高齢化に伴う労働人口の減少が大きな課題です。その解決には効率化が必要ですが、その一手段として、少なくなる人的リソースをIoTで代替する考え方があります。

ゴミの蓄積状態がリアルタイムにわかるスマートゴミ箱「BigBelly Solar」

BigBelly Solar

街中にゴミ箱があると便利ですよね。しかし、ゴミの集積にもコストがかかります。そんな中、日本システムウェアとアートファクトリー玄は、「いつ、どこのゴミ箱を回ればいいか」を教えてくれるスマートなゴミ箱の実証実験を表参道で始めています。ゴミの蓄積状況をリアルタイムに発信するスマートゴミ箱「BigBelly Solar(ビッグベリーソーラー)」は太陽光で発電したエネルギーを使って、ゴミの蓄積情報を携帯電話網を通じて発信します。BigBelly Solarを使い、収集頻度などをコントロールしてコスト削減を目指しています。

駐車場の空き情報を教えてくれてる「Streetline」

Streetline

駐車場を探すのが面倒と感じる方も多いのではないでしょうか?特に、都市部やイベント時に駐車場を探すのはとても大変です。StreetLine(ストリートライン)は、駐車場の空き状況をリアルタイムに教えてくれるサービスです。アプリ化もされていますが、対象地域はまだアメリカの一部都市、2万弱の駐車場で、日本はまだ未対応なようです。来日が待ち遠しいですね。

どの駅のトイレが開いているかがわかる「IoTトイレ」

IoTトイレ

国内の受託開発の大手・伊藤忠テクノソリューションズ(CTC)は、トイレの空き状況がわかるIoTトイレの実用化を進めています。

お腹が弱い寺西君という部下が、電車の中でお腹が痛くなった時に、どの駅のトイレが空いているのかを事前に把握できるサービスを作りたいと言われたことがきっかけ。
https://japan.cnet.com/article/35100609/

CTC社内のエンジニアの発言をきっかけに、IoTトイレの開発が始まったようです。電車の中でお腹が痛くなって困ったという経験は誰しもがあると思うので、全国に広まって欲しいIoTサービスです。

自動販売機を監視カメラ化して地域の防犯・防災強化「IoT自動販売機」

IoT自動販売機

自動販売機をIoT化して犯罪や災害を防ごうという取り組みを、一般社団法人 防災・防犯自販機協会が進めています。自動販売機の国内普及台数は500万台以上と言われており、仮にその全てに監視カメラをつけたら、犯罪が起こった時の重要な証拠を捉えられそうです。協会は、監視カメラの設置以外にも、無料Wi-Fi機能や災害情報を伝える電光掲示盤を付けられるIoT自販機の活用を進めています。

橋にセンサーを取り付け保守・点検を効率化「BRIMOS」

BRIMOS

橋にセンサーを取り付けることで、道路橋の異常や損傷を検知するのが、NTTデータのBRIMOS(BRIdge MOnitoringSystem)(ブリモス)です。全国には、約15万の道路橋があり、その内40%が高度成長期に作られたそうです。老朽化している橋が増えているにも関わらず、補修を行う工事業者が減っていることも大きな課題とされています。

NTTデータは、BRIMOSの設置によって次のメリットがあるとしています。

  • 橋の異常を早期に発見できる
  • 災害時に危険な橋を通行止めにするなど迅速に対応できる
  • 通過する車を継続的に監視して事前に損傷を予測できる

橋に取り付けたセンサーからのビッグデータを解析・活用することで、効率的な保守・点検が出来るとしています。BRIMOSは、日本国内の老朽化した橋のみならず、ベトナムを始めとする東南アジアで新設された橋にも設置されており、IoTの輸出が進んでいます。

都市型水害をいち早く検知「明電マンホールアンテナ」

明電マンホールアンテナ

明電舎は、マンホール型IoTデバイス「明電マンホールアンテナ」の展開を開始しました。マンホールに取り付けられた水位センサとガスセンサからのデータがを送信することによって、豪雨による都市浸水を未然に防ぐことが期待されます。このマンホール型IoTデバイスは、まさにIoT(モノのインターネット)を象徴している製品だと感じます。様々なモノがインターネットに繋がるIoTらしく、マンホールにまでセンサーを取り付けるのには驚きました。

医療・ヘルスケア分野の活用5事例

2015年の日本人の平均寿命は83歳を越え、まだまだ伸びる傾向にありますが、その分、医療費も増大しています。医療費の削減が出来なければ増税しかないとも言われています。政府は、国家予算を圧迫していると言われる医療費を少しでも効率化して、コスト削減を狙いたいようです。医療の効率化を目指した医療・ヘルスケア分野のIoT活用事例を見てみましょう。

家にいながら医師の診療が受けられる遠隔医療サービス「PlushCare」

PlushCare

PlushCare(プラッシュ・ケア)は、自宅にいながらスマートフォンなどを通じて医者の診療を受けられる遠隔診療サービスを提供しています。診療を受けられるのは、緊急性の低い風邪などの症状のみのようですが、待合室で待つことなく診療を受けられるのはメリットの一つでしょう。また、好みの医師を選ぶこともできるようです。サービスを受けられる地域は、まだアメリカの18の州のみにとどまっているようです。遠隔医療は日本国内でも一部の病院が行っているようですが、まだまだ一般化するには時間がかかりそうです。

歯ブラシにつけるだけで、最適な磨き方を提案「G・U・M PLAY」

G・U・M PLAY

歯ブラシにつけるだけで最適な磨き方をアドバイスしてくれるIoTデバイスがG・U・M PLAY(ガムプレイ)です。G・U・M PLAYには、加速度センサーやLED、Bluetoothが付いていて、専用のアプリと連携することで歯磨きの改善を提案してくれます。また、子供が楽しんで歯磨きができるように、ゲームなどオリジナルのコンテンツも用意されています。歯磨きしないときは、歯ブラシスタンドとしても使えます。

全ての医療機器の情報を一画面で共有「スマート治療室」

スマート治療室

センサー付きのメスから送られる情報によって、腫瘍の悪性具合がリアルタイムに画面に映し出されるスマート治療室の開発が進んでいます。手術には、患者の状態(心拍・体温)をモニタリングするもの、患部の状態を診断するもの(MRI)、治療自体を行うもの(メス)など、多くの機器が同時に使用されます。スマート治療室は、これら全ての機器の情報をリアルタイムに一画面で可視化して、最適な治療を実現することを目指しています。また、医療ミスの約25%が、機器の設定ミスで発生しているとも言われおり、医療機器のIoT化が安全性の向上も果たすと期待されています。

遠隔地や離島にいつでも薬を届けられる輸送手段を確立する「KamomeAir プロジェクト」

KamomeAir プロジェクト

瀬戸内海には、島民100人以下の島が49もあり、新聞や郵便が毎日は届かないそうです。ましてや診療所など無く、十分な医療が受けられる環境が整っていません。そんな中、せめて薬だけでも毎日届くようにしようと立ち上がったKamomeAir(カモメエア)プロジェクトは、無人の航空機、貨物船、走行車を使って、瀬戸内海の島々を結ぶというものです。2015年に行われた実験では、医薬品を想定した500gの重りを10キロ先の目的地に届けることにも成功し、現在もプロジェクトは進行中です。

愛犬の体調データを管理するウェアラブルデバイス「FitBark」

FitBark

FitBark(フィット・バーク)は、愛犬の普段の体調データを取得し、健康管理ができるサービスです。さらに、ペットに付けられたウェアラブルデバイスを通じて得られた消費カロリーや睡眠具合のデータは提供会社に送信されます。既に100ヶ国以上の200種類以上の犬種のデータを取得しており、犬種・体重・年齢により休息時間に違いがあること等も研究の成果として公開しています。

自動車分野の活用4事例

ハイブリッド車の登場により、自動車に搭載されるセンサー数は車一台当たり70個を超えるようになったと言われています。例えば、カーナビはGPSで位置情報を取得していて、目的地まで案内してくれます。これも初期のIoTに分類できます。自動車分野は90年代からいち早くIoT化された産業なのです。現在、自動車産業×IoTで顕著な動きは、ビッグデータとAIを組み合わせた自動運転技術です。他にも金融と組み合わせて与信管理をする事例も含め、自動車分野のIoT活用事例を4つご紹介します。

自動配送で再配達ゼロを目指す「ロボネコヤマト」

ロボネコヤマト

クロネコヤマトの宅急便でおなじみのヤマト運輸が、IT大手のDeNAと組んで、自動運転の実証実験を行なっています。狙いは「宅配便の再配達ゼロ」です。2015年8月に国交省が試算したデータによると、宅配の不在率(再配達になる確率)は19.1%のようです。ロボネコヤマトと呼ばれるオンデマンド配送サービスは、自動運転によって顧客の指定する場所に10分単位で配送を行う想定で、12,000世帯が暮らす神奈川県藤沢市で実用実験が行われています。

ハンドルもペダルも無いGoogle発の自動運転車「Waymo」

Waymo

Googleは2009年から自動運転の研究を始めて、waymo(ウェイモ)という自動運転の会社を起ちあげました。2017年4月にはアリゾナ州の一般市民を対象に自動運転の公開実験を開始しています。テストドライブでは、運転手が乗っているものの、基本的には自動運転技術で走行されているようです。アメリカの一部の州では、すでに自動運転車が公道を走ることを許可されています。ペダルもハンドルもないGoogle初の自動運転車の実用化は目の前のようです。

ドライバーの心拍数をリアルタイムに計測し事故を減らす「hitoe」

hitoe

NTTグループとソフトウェアを手がけるSAPは共同で、ウェアラブルデバイス「hitoe(ヒトエ)」によって交通事故を減らす取り組みをしています。hitoeは衣服型のウェアラブルデバイスで、心拍数、心理的安定度、中枢性疲労度(脳の疲労度)を取得することが出来ます。これらのデータを基に、疲労感や緊張度を計測することで、ドライバーの不注意を未然に防ごうとしています。

金融×自動車IoTで世界20億人に自動車を使う機会を提供「MCCS」

MCCS
MCCSは、発展途上国の自動車金融を変えるIoTとして期待されています。発展途上国ではお金を借りたり貸したりすることが難しいのが実情ですが、その理由は与信情報を提供する専門機関がないことが原因です。

貸し手は、与信情報が少ないためにローンやリースの審査に慎重にならざるを得ません。また、返済途中の自動車が盗まれたり、勝手に売りさばかれたりといった情勢不安や不況も貸し手側のリスクを上げ、リース会社や銀行はなかなか自動車ローンを承認出来ません。しかし、返済途中の自動車を貸し手側がコントロール出来れば、リスクを減らすことが出来ます。例えば、以下の状況が起こった時に損失を最小限に防げます。

  • リースの返済が滞った場合 :エンジンを遠隔制御し自動車を動かないようにする
  • 返済途中の車が盗まれた場合:位置情報を頼りに自動車を発見・回収する

MCCSは、車に取り付けることでエンジン制御や現在地を確認出来るIoTデバイスなので、上記のようなことが発生した時に対処できます。運営元のGlobal Mobility Service株式会社は、与信情報が少なくても、貸付を回収出来る可能性を高めることによって、発展途上国の人でも車のローンやリースを組める仕組みづくりを目指しています。

製造業(工場)の活用3事例

日本の強みである製造業で活用されているIoTを紹介します。製造業のIoTの特徴は、工場の「見える化」と「データ化」から効率化やコスト削減を実践しようとする動きです。これらは「クローズIoT」とも言われています。

製造業×IoTの先駆け「カンバン方式」(トヨタ)


トヨタ カンバン方式
IoTが目指す一つの方向性に「効率化」が挙げられます。世界に先んじて「無駄をなくすこと」に取り組んだのが日本の自動車メーカー・トヨタでした。

トヨタでは「ムダ、ムラ、ムリ」を無くし、徹底的な効率化を実現するために「カンバン方式」が考案されました。カンバン方式は、部品の詳細が明記されたカード(かんばん)を用いて、「必要なものを・必要な時に・必要ななだけ」作り、効率的な生産体制を構築しました。別名、「ジャスト・イン・タイム」とも呼ばれています。

1990年代の初めにトヨタは、カンバン方式をIT化したTOPPS(Toyota Parts Procurement System)を展開し、カンバン自体もITで管理するようになりました。カンバン方式のIT化は、今のIoTの走りと言われています。

秋葉原で買ったセンサーで約5億円のコスト削減に成功(旭鉄工)

旭鉄工株式会社

日本の中小企業の工場では「人材不足」が常に課題とされており、効率的に工場を稼働されなければなりません。旭鉄工は、秋葉原で購入した汎用センサーを使って、工場の情報を見える化する仕組みを自前で作り上げました。

  • 光センサー(50円/1個)  :生産システムの異常を検知して通知する
  • 磁気センサー(250円/1個):製品が完成するときの機械の動きをを検知して生産個数を計測

以上のセンサーから送られてくる情報は「製造ラインが正常に動いている割合」「一つの製品が生産される時間」として数値化され、社員のスマホや社内のモニターで見られるようになっています。これらの数値を基に、生産工程の改善に取り組んだことで、稼働率を66%から80%に高めることに成功しました。

旭鉄工は、その独自のノウハウをベースに、他社のIoT化のサポートも行っています。

大型工場のデータをリアルタイムに見える化(FUJITSU×INESA)

中国版Industry 4.0

FUJITSUは、いくつもの地域にまたがる工場のデータをインターネットに繋ぎ、可視化することで生産性向上を目指すソリューションを提供しています。工場に取り付けられたセンサーからの情報は膨大で通常は解析に一定の時間がかかりますが、FUJITSUは独自の解析ソフトの開発によってリアルタイムに可視化することに成功しています。

上海のエレクトロニクス企業INESAは、FUJITSUのInteligent Dashboardを導入し、工場の生産ラインの様々なデータや映像をリアルタイムで一括管理・可視化できるようになったことで、問題の対処や改善の質・スピードがあがり、製品品質と生産性の向上を実現しています。

農業分野のIoT活用3事例

農業分野でも、人材不足が原因でIoT化が急がれています。現在、少子高齢化によって農家の8割以上を高齢者が担っています。また、農家の数が減ることで、一農家が扱わなければならない圃場(ほじょう)も大きくなっています。少ない人数でより多くの農作物を生産する効率化を求めて、農業のIoT化を進めることが急務のようです。

日本を代表するクローズIoTで農業を効率化「スマートアシスト」(ヤンマー)

スマートアシスト

農業分野でIoT活用を進めている代表企業がヤンマーです。農作機のメーカーとして最大手であるヤンマーは、日本メーカーが得意とするクローズIoTの考え方を実践しています。ヤンマーのスマートアシストとは、農作機械に取り付けられたセンサーからの情報をもとに、効率的な農業を行おうとするものです。センサーからの情報は、作物に関する情報の他に、位置情報や稼働状況が含まれています。盗難があってもすぐ知らせてくれたり、不具合をいち早く検知できたりするなど、機械を見守ってくれるサービスも提供しています。

圃場に行かなくても農作物の状態がわかる(ベジタリア)

IoT ベジタリア株式会社

ベジタリアは、圃場に行くことなく、スマホやタブレットで作物の状態を確認できるサービスを提供しています。圃場には、CO2や土壌の温度などを測定できるモニタリングシステムが設置され、様々なデータを解析することで、作物の生育状態を遠隔で確認することができます。遠隔で管理することで、育ちの悪いエリアを優先的に回るといった作業の効率化も可能になり、生産コストを下げることに繋がるようです。

室内で効率的に育てるスマートな家庭菜園「foop」

foop

自宅の室内でレタスやミニトマト、ミントなど15cm以下の葉物野菜を効率的に育てられるIoTデバイスが「foop(フープ)」です。可愛らしい見た目に気を取られますが、5つものセンサーがついていて野菜の発育環境を最適な状態にしてくれるスマート菜園です。取り付けられているセンサーは以下のような働きをしています。

  • 照度センサー:部屋の明るさを検知
  • 水位センサー:水位の状況を管理
  • 温度湿度センサー:温度と湿度に応じて環境調整ファンの稼働
  • CO2センサー:空気中のCO2濃度を測定
  • ドアセンサー:アクリルカバーの開閉状態を通知

専用アプリを使えば、食べ頃になった野菜の通知もスマホに届くので、新鮮な野菜がすぐに食べられます。

その他のIoT活用3事例

これまでの分野には該当しなかったけど、気になるIoT活用事例を3つ紹介します。

地元の漁師がジュゴンの保護に協力するアプリ「Kii Cloud」

Kii Cloud

今まで、ジュゴンなどの絶滅危惧種の生態調査を行うには、研究者が同行したり空から観察したり、かなりの研究費用がかかっていました。そんな中、地元の漁師の協力してもらうことで、ジュゴンの種の保存に貢献している事例があります。地元の漁師にスマートフォンを渡し、ジュゴンを見つけたときに写真を撮ってもらいます。スマホで撮った写真は、GPSの位置情報とともに保存されます。地元の漁師に協力してもらうことでで、ジュゴンの大きさや見られた位置といった細かい情報の取得を実現し、低コストかつ正確にジュゴンの生息状況を把握することが可能になったといいます。

世界中の船舶800隻をIoT化して正確な気象予測と最適航路の提案を実現「Safety Status Monitoring」

Safety Status Monitoring

ウェザーニューズは、船の位置情報や気象・海象情報を考慮して、気象予測・最適な航路提案まで行う「Safety Status Monitoring(セーフティー・ステータス・モニタリング)」で世界中の船の安全を見守っています。世界最大手のMaersk Groupと契約を締結し、実に800隻以上の船からリアルタイムの運行情報ビッグデータを取得し、船から送られる様々なデータを活用することで、今まで以上に正確な気象予測を実現し、安全運行に活用しています。

ドローンで3D図面を作成し、建機を自動操縦「スマートコントラクション」(KOMATSU)

スマートコントラクション

KOMATSUは、ショベルカーなど大型建設機械にGPSを搭載し、世界中の建機のデータを見える化し成功してきました。KOMATSUは、現場の測量をドローンによって3D化する「スマートコンストラクション」を推進しています。今まで人が行なってきた測量をドローンにさせることで、時間の短縮だけでなく、正確性の向上も可能になっています。また三次元設計図面と建機に搭載されたGPSを連携させ、建機を自動で動かすことにも成功しています。これにより、生産性の向上だけではく、事故リスクも軽減できるとしています。KOMATSUが建設業界のIoT化を急ぐ理由は、国内の建設分野の人材不足が迫っていることが挙げられます。少ない人員でも今まで以上の生産性を確保できる仕組みが、IoTの導入によって実現されようとしています。

まとめ:IoTはまだまだ過渡期

様々な分野で活用が進むIoTの事例をご紹介してきましたが、本来のIoTが実現されるにはまだ少し時間がかかりそうです。というのも、本来のIoTが意味する社会は、私たち人間が「機械を操作する」という行為から解放された状態であり、2017年時点では、まだまだスマホを用いて機械を操作する行為に甘んじているからです。

発展途上のIoT:人間がスマホ(もしくはPCやリモコン)で機械を操作する
本来のIoT社会:機械が(人間の意図に沿って)自動で判断し行動する

機械を操作する行為が減る最たる例は、やはり自動運転技術でしょう。自動運転が実用化されれば、「人間が車を操縦する」という行為から解放され、「車が人間を連れていってくれる」という状態を享受できるようになります。

人間が推進するIoTの発展が、逆に、今後我々人類をどのような方向へと導くのか、実は、この世の誰にもまだ分かっていないのかもしれません。

こちらの記事ではIoTの本質を誰でもわかるように解説しています。

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山本武尊

株式会社SmartHacks・エバンジェリスト 保有スマートスピーカー:Amazon Echo、Amazon Echo Dot、Google Home 欲し...

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