• HOME
  • まとめ
  • 中国のスマートスピーカー事情はどうなっている?中国製スマートスピーカーの変遷

中国のスマートスピーカー事情はどうなっている?中国製スマートスピーカーの変遷

Google HomeやAmazon Echoが中国のネット規制から利用できない中で、中国製のスマートスピーカーが続々と登場し競争を始めている。2016年から現在までの中国におけるスマートスピーカーの変遷を時系列で紹介する。

スポンサーリンク

2016年に中国でスマートスピーカーが誕生

中国で国産のスマートスピーカーが発売されたのは、日本より1年以上早い2016年始めである。

2016年1月 初の中国製スマートスピーカー「dingdong(叮咚)」が登場

まず2016年1月に京東が運営するECサイト「京東(ジンドン、JD)」から「dingdong(叮咚)」というスマートスピーカー製品が登場する。「dingdong(叮咚)」は、中国で開発された製品だ。

中国で最初に中国製スマートスピーカー発売されたスマートスピーカー「dingdong」

ECサイト「京東(ジンドン)」は阿里巴巴(アリババ、Alibaba)のECサイト「天猫(Tmall)」「淘宝網(タオバオ、Taobao)」に続く人気サイトで、その人気を活用し、同社サイトでPRを行ったことで、中国市場にスマートスピーカーで進出していたオランダのPhilipsやアメリカのオーディオブランドJBLを追い抜きシェアトップとなった。

2016年4月 貝殻モチーフの「至愛小播」発売

同年には深センのメーカー「軽生活科技(Q-LIFE TECHNOLOGY)」から百度(バイドゥ、Baidu)の音声認識技術を活用した「至愛小播」という製品が登場する。貝殻をモチーフにしたデザインが特徴である反面、変わったデザインゆえにコンパクトさに欠ける製品でもあった。ちなみにこの年はまだ製品ジャンル名が固まってなかったのか、スマートスピーカーとは呼んでおらず、「音声ロボット(語音機器人)」と呼んでいた。

貝殻がモチーフであることも納得のスマートスピーカー「至愛小播」

2016年11月 京東・JBL共同開発で「Go Smart」をリリース

京東は「双十一」と呼ばれる中国最大のECセール日である11月11日に、次のスマートスピーカー製品の「Go Smart」をリリースする。これは中国市場でシェアが低下したJBLとの共同開発の製品だ。2016年はスマートスピーカー市場は年6万台程度とさほど大きくなく話題にはならない中、京東が独り勝ちしていた状況だった。

2016年に京東とJBLが共同開発した「Go Smart」

2017年に出揃った3大人気中国製スマートスピーカー

2017年になり、中国のスマートスピーカーが面白くなる。

2017年5月 「小米網絡音箱(シャオミネットワークスピーカー)」発売

スマートフォンで知られ、最近ではスマート家電も積極的にリリースしている「小米(シャオミ、Xiaomi)」から5月に「小米網絡音箱(シャオミネットワークスピーカー)」が、リリースされた。

小米の「小米網絡音箱」。399元は、約6700円。

2017年7月 「小米AI音箱」発売

小米は、続けて「小米AI音箱」を7月にリリース。小米AI音箱は、円筒形で同社のスマート製品のほとんどが白色であるが、それと同様に白色モデルのみを用意。ウェイクワードは「小愛同学(シャオアイトンシュエ)」。音声認識システムは「小米大脳」で、百度が開発した「DuerOS」をカスタマイズしたものとみられる。製品の特長としては小米が出しているスマート家電製品が動くのが特徴だ。

「小米AI音箱」

2017年8月 「天猫精霊X1」発売

8月には、阿里巴巴から「天猫精霊X1」がリリースされた。円筒形で白色、黒色の2色のカラーリングを用意(ただし、2018年正月限定モデルで赤を発売)。ウェイクワードは「天猫精霊(ティエンマオジンリン)」。

阿里巴巴の「天猫精霊X1」

音声認識システムはアリババの「AliGenie」だ。ECサイトの天猫での商品価格が聞けて購入することができる他、対応するセットトップボックスでテレビをコントロールしたり、白物家電や住宅設備をコントロールしたり、電話をかけることが可能だ。

セットトップボックスの「天猫魔盤」

小米はオフィシャルサイトの他、中国全土の大都市に展開しているオフィシャルショップ「小米之家」などで売られ、知名度を高める一方、天猫精霊は499元(約8500円)でリリース後、11月11日のセール日に99元(約1700円)という特別価格で販売し、ヘビーユーザーから大きな反響があった。

小米のオフィシャルショップ「小米之家」

2017年9月 「京東Dingdong2代」発売

京東も2017年9月に「京東Dingdong2代」をリリースする。京東dingdong2代はECサイト「京東」のみで購入が可能なスマートスピーカーだ。グレー、ブルー、レッドの3色が用意され、値段には180分の通話代金も含まれる。音声認識システムは、中国の音声AI企業として有名な「科大訊飛」のシステムを採用。ウェイクワードである「Dingdong」だが、これを変更できるのも他製品との違いだ。

天猫精霊同様に、ECサイト京東での買い物サポートや、家電のコントロールが可能となっている。また本製品の中国の他機種と比べての特徴は、外部スキルを多数用意している用意している点が挙げられる。ケンタッキー・フライド・チキンやピザハットなどもスキルをリリースする。

ECサイト京東のみで購入可能な「京東dingdong2代」

2017年は、個性的なスマートスピーカーも登場し市場規模は35万台に

2017年はメジャーにはなれなかったが、個性あるスマートスピーカーが出てきてた年でもあった。

2017年6月 「喜馬拉雅小雅」発売

中国の人気Podcastサービスを展開する喜馬拉雅から「喜馬拉雅小雅」(999元/約1万6800円)が発売した。

「喜馬拉雅小雅」

喜馬拉雅小雅はpodcastサービスで知られる「喜馬拉雅」がリリースしたスマートスピーカーだ。同サイトは日本にも「Himalaya(ヒマラヤ)」という名で進出し、日本向けのポッドキャストサービスを展開している。

ウェイクワードは「小雅(シャオヤー)」。本体価格にはポッドキャストサービス「喜馬拉雅」の有料会員2年間サービスがついている。スマートホームや、サードパーティーによるアプリには非対応だ。あくまで喜馬拉雅を快適に聞くだけのサービスとなっている。

2017年6月 「Rokid Pebble」発売

音声認識を専門とするRokidから「Rokid Pebble」(1399元/約2万4000円)が発売。Rokid Pebbleは卵型の独特な形状が特徴のスマートスピーカーだ。そのデザインはアメリカのCES、ドイツのred dot design award、iFで賞を受賞するほど評価された。

ウェイクワードはシステム名からとった「ルオチー」。5200mAhのバッテリー内蔵し、2時間バッテリーでの動作が可能。スマート家電にも対応するが、コンテンツは他製品と比べてやや非力なのが難点。

「Rokid Pebble」

2017年11月 「Tic Home」発売

Googleが投資している出門問問からは、「Tic Home」(998元/約1万6800円)という製品が発売された。Tic Homeは見た目は黒色円筒形のスタンダードなスマートスピーカーだが、Googleが投資するだけあり、中国では異端の存在だ。

「問問」のウェイクワードに反応する。出門問問という音声認識システムを使う。表面上Googleらしさがあるわけではなく、QQ音楽の1年間の有料会員になることができる。スマート家電のコントロールはできないが、同社スマート製品「Tic watch」などとの提携ができる点が特徴だ。

「Tic Home」

2017年中国スマートスピーカーまとめ

このように個性あるスマートスピーカーがリリースされている。最も万能なのは「京東dingdong」だが、買い物をしたりスマート家電の提携をするには「天猫精霊」も捨てがたい。

それでもそれぞれECサイトによる製品なので、利用できる買い物サービスは自社サービスに限られる。ECサイトとしてはどちらも一長一短があるので、どちらがいいとは言いづらく、つまりこれ一台があればすべて賄えるという状況ではない。かたや喜馬拉雅小雅やTicHomeは購入時についてくるコンテンツの無料利用で客を引き寄せている状況だ。

売れ筋では京東dingdongと小米網絡音箱と天猫精霊の3強状態となっている。市場規模は35万台と、まだまだマニアの域を抜け出てはいないが、前年比6倍近く拡大した。

2018年は、スマートデバイスの世界市場3割シェアを目指して開発が進む

2018年だが早速続く製品が登場してきそうだ。検索と人工知能の百度(Baidu)とスピーカーメーカーの「DOSS」が提携し、「小度AI音箱」を3月にも発売開始する。

2018年登場予定のDOSSのスマートスピーカー「小度AI音箱」

また京東dingdongが大画面モニター付きの製品を紹介した。

京東dingdongの最新機種、大画面モニター付スマートスピーカー

年内にさらに様々な製品が紹介されるだろう。というのもスマートデバイスの世界市場シェアを3割に、市場規模として5000億元(約8460億円)を目指す国家計画「智能硬件産業創新発展専項行動(2016〜2018年)」などに基づいて各企業がIoT製品を行っているからだ。

最後に補足すると、中国で購入して日本で使おうとするならば、中国でのアプリのお作法として、アプリ側で実名認証で得た中国の携帯電話番号を紐づける必要がある。一度紐づければいいかというとときどき再確認をするアプリも見ることから安心はできない。中国の携帯電話番号をキープするには月額費用が発生するので中国在住者か中国にときどき出張や旅行に行く人でないと、維持も難しい。周囲に中国人がいる環境ならば、彼らにサポートをお願いするのが良策だ。

山谷 剛史

1976年東京生まれ。中華人民共和国昆明市在住。フリーランスライター。前職NNA。2002年より一貫して中国やアジア各国のITやトレンドについて執筆。中国I...

記事一覧

スマートスピーカー対応アプリの開発にご興味がある方はお気軽にご連絡ください。

お問い合わせフォーム

スポンサーリンク

ピックアップ記事

関連記事一覧