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声で家電を操作できる、スマートスピーカー対応「スマート家電コントローラ」の開発裏話をラトックシステム株式会社に聞く

ラトックシステムでは、スマートスピーカー「Amazon Echo」発売と同時に音声AIアシスタントAmazon Alexa対応の「スマート家電コントローラ」をリリース(*スキルの呼び出し名は、「家電リモコン」)。この2月にはスマートスピーカー「Google Home」のGoogle Assistantにも対応しました。迅速な対応の背景にはどのような判断があったのでしょうか。スマート家電コントローラのビジネス展開をすすめる営業部門の橘雅文氏にお話を聞いてきました。

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画像出典:ラトックシステム スマート家電コントローラ「RS-WFIREX3」
スマートスピーカー対応スマート家電コントローラで出来ること
赤外線リモコンのコントロール(オンオフ、テレビなどの音量調査やチャンネル変更など)が出来ます。
スマートスピーカーから操作できる家電は、テレビ1台・エアコン1台・照明2台まで(カスタムスキルの場合)。
声のかけ方:「アレクサ、家電リモコンを使って○○○して」「アレクサ、○○○して」(2018年3月中対応予定)「OK Google、家電リモコンで○○して」「OK Google、○○○して」
対応音声アシスタント:Amazon Alexa、Google Assistant
*スマートフォンのアプリでは操作できる家電の台数に制限はありません。

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IoTスマートホームの波が来ている

ーー開発のきっかけを教えてください。

橘 雅文氏(以下、橘氏):もともと当社では、Amazon Web Serviceの音声エンジンサービスAmazon Lexを使い、スマートフォンに話しかけて家電リモコンを制御する話を進めていました。
 
そのタイミングでUSからAmazon Alexaの開発責任者が来日されるとのことで、会って話をしました。そこで、当社が日本語認識の精度向上に協力するのであれば、Alexaの日本語開発環境を提供するという合意のもと、開発がスタートしました。

当社としては、Amazon Alexaに対応することで新しい層にリーチ出来るのではないかという思いもありました。

ーー実際に、新しい層にリーチしたという手応えはありますか?

橘 氏:このところ、IoTスマートホームの波を実感しています。1年ほど前まで、スマート家電コントローラは手元のスマホで家電を制御したい、帰宅前にエアコンをつけたいといった個人ユーザーがメインでした。

最近では、住宅に備え付けのシステムで提供するケースも増えてきており、ユーザーが積極的に設置を行わなくても、スマートホームのある環境が整いつつあります。スマートスピーカーはスマホと比較して幅広い年齢層が扱えることもあって、その勢いは加速しています。

ーーそうなんですね。お客様がスマート家電コントローラを知る最初のきっかけは何でしょうか?

橘 氏:スマート家電コントローラは、スマホ関連機器としてガジェット系メディアでご紹介いただくことがほとんどでした。

ところが、スマートスピーカーに対応してからは、ビジネス誌などでも「話しかけて家電を操作する」拡張ツールとして掲載いただくようになり、それまで製品の情報が届きにくかった読者の目に触れる機会が増えているのではと思います。SmartHacksさんとこういったお話しができるのも、スマートスピーカーに対応しているからですしね(笑)。

ーーありがとうございます(笑)

スマートホームスキルとカスタムスキルの違いとは?

ーー家電コントロール系は、スマートホームスキルが多いですが、カスタムスキルとは何が違うのでしょうか?(*Amazon Alexa対応スキルでは、カスタムスキルが最も一般的なスキルです。スマートホームスキルはIoT家電を操作するためのスキルです)

橘 氏:スマートホームスキルは、Amazonが用意しているスキルです。スマートホームスキルを使用すれば開発しやすいですし、「Amazon Alexa認定対応製品」としてAmazonサイト内に掲載もされます。それで採用しているメーカーも多いんです。ただ、現時点では日本の家電向け機能として使えるのは、電源オンオフと照明の明るさ調整のみとなります。

一方、カスタムスキルは、メーカーがいちから作り上げなければならず手間はかかりますが、ユーザーのニーズに合わせてさまざまな機能を柔軟に盛り込むことができます。当社では、エアコンやテレビの電源を入れた後も温度や音量、チャンネルなどの細かな操作もできるようにと、カスタムスキルを採用しました。

ですが、カスタムスキルでは呼びかけ時に「家電リモコン」といったスキル名を入れる必要があります。実は、Amazon Echoの音声コマンドが長いというご意見を沢山いただいていているんです。「アレクサ、家電リモコンを使って○○をして」と音声コマンドの中に“家電リモコンを使って”が入るのが長い、と。

そこで、現在はスマートホームスキルへの対応も進めています。2018年3月にはスマートホームスキルとアプリが出て、お客様にはスマートホームスキルとカスタムスキルの両方を使っていただけることになります。家電の電源オンオフ時は「アレクサ、○○して」、エアコン、テレビの細かい調整は「アレクサ、家電リモコンを使って○○して」と話しかければよく、利便性はかなり向上すると思っています。

なお、Google Homeでは音声コマンドを短く設定するショートカット機能があるので、設定していただければ「OK Google、○○して」で通じます。

ーー確かに、毎日使うものですし長いと気になりますよね。

開発の苦労は、文法重視のVUIへの対応

ーー最初にAmazon Alexa対応のカスタムスキルを開発されたわけですが、開発で苦労されたことは何でしょうか?

橘 氏:当時(2017年5〜6月頃)の日本語解析は文法重視だったので、助詞を挟まないと理解してくれませんでした。

口語では「冷房で28℃にして」ではなく「冷房28℃にして」と助詞抜きであることも多いですよね。逆に助詞と勘違いされることもあって、「照明2をつけて」と言うと「2」を助詞の「に」と思って別の照明がついてしまったり。

これまでスマホ向け製品の開発では意識することのなかったVUI(ボイスユーザーインターフェイス)を、自然な会話に近づける工夫が必要でした。

ーー日本語認識のパターンを作るのが大変だったという話はよく耳にします。技術的な面で大変なところはなかったですか?

橘 氏:全体の流れの設計、どこをループ処理させてどこを終了させるのかといったスキルの設計などをAmazon側と調整しながら行う必要があったので、時間を要しました。全く前例がない中で作っていったので、その辺りは大変でしたね。

ーー開発の期間はどれくらいだったのですか?

橘 氏:4ヶ月かかりました。

ーー結構かかりましたね。

橘 氏:そうですね、初めてのことだらけだったので、今でしたらもう少し早く出来ると思います。

スマートスピーカーに対応したことで広がるビジネスチャンス

ラトックシステム株式会社 営業部 コーポレートソリューショングループ 橘 雅文氏

ーー先ほど新しい客層にリーチ出来たとおっしゃっていましたが、全体的に見てもスマートスピーカーに対応して良かったとお考えですか?

橘 氏:ええ。今は、新しいビジネスの話もいただいています。たとえば、住宅設備関係企業から、スマート家電コントローラを設備として組み込んだ住宅を作りませんかといったお話ですとか。

そういう風にIoT製品としてスマート家電コントローラを使っていただくこともありますし、スマートホーム関連のカスタムスキルを開発したいという企業から、相談を受けることもあります。今後は、スキル開発支援もやっていきたいですね。

ーービジネスも広がってきているんですね。今後スマートスピーカーやIoTはどのように変化していくと思われますか?

橘 氏:スマートスピーカーという形か分かりませんが、AIや音声コマンドで操作するのが当たり前になると思います。すぐではないと思いますが、こういう業界は変化が早いので、2〜3年で変わるのではないでしょうか。

ーー2〜3年前にはスマートスピーカーが家の中にあることも想像できなかったわけですから、可能性はありますよね。最後に、何か読者に伝えたいことなどあればお願いします。

橘 氏:当社のスマート家電コントローラは全て自社で設計しているというのがアピールポイントです。サポートまで自社社員で行っています。たとえば、赤外線リモコンに世界中の家電の赤外線データを搭載させている製品もありますが、当社は日本国内で使うであろうデータに絞っています。日本ならではの環境を考えて設計していますので、使い勝手はいいのではないかと考えています。

ーーありがとうございます。

公式サイト:ラトックシステムHP

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SmartHacks Magazine 編集部

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