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日々に溶け込んだアプリで成功!「電車動いてる?」の開発元ノックスデータ株式会社にインタビュー

Google Home対応のGoogle Assistantアプリの数も増えてきましたが、日常的に多く使われるアプリは限られています。そんな中、1日およそ200回利用されているアプリがあるのをご存知でしょうか?今回はそんな利用頻度の多いアプリ「電車動いてる?」を開発された「ノックスデータ株式会社」の砂見 学氏と中村隆之氏のお二人にお話を伺いました。

「電車動いてる?」については、詳しくはこちらから。

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「さらっと聞けてさらっと答える」がスマートスピーカーのウリ

ノックスデータ株式会社 技術本部 研究開発室 サブリーダーの中村隆之氏(左)と技術本部 本部長 兼 技術部1部 部長の砂見 学氏(右)

ーーまずは貴社について教えてください。

砂見 学氏(以下、砂見氏):弊社は主にソフトウェアを受託等で開発している会社になります。2年ほど前に「研究開発室」というものを立ち上げ、現在は彼(中村 隆之氏)が専任でスマートスピーカーやAIなど様々なものを研究しています。

ーーGoogle Home対応Google Assistantアプリの開発は、そういった研究の一環ということでしょうか。

中村 隆之氏(以下、中村氏):そうですね。私自身もスマートスピーカーには以前から興味があったので、会社で使用する前に購入して自宅で使っていました。Google Homeが日本で発売される前から、英語ベースでアプリを開発していたので、「電車動いてる?」をリリースする前からGoogle Home対応アプリに関するノウハウはある程度持っていました。

ーー実機がなくても、アプリの開発はできるんですよね。なぜ「電車動いてる?」のアプリを開発されたのでしょうか。

中村氏:購入後にGoogle Homeを使ってみて「え、電車の遅延情報を教えてくれる機能ってないの?」と即座に感じてしまったことが発端です。電車の遅延情報は天気などと同じように毎日聞けると嬉しいですし、その機能がないなら「まずは、そこからかな」と思ったんです。

ーー何故そう思われたのでしょうか。

中村氏:スマートスピーカーは「さらっと聞けてさらっと答える」というのがウリだから、それを生かしたかったんですよね。わざわざスマホを出して遅延情報を検索するよりは、話しかけて答えてくれるという手軽な形で、今日どうするのか決められるほうが良いですよね。電車の遅延情報は天気予報のように毎日関わってくる情報なので、朝起きてスマートスピーカーに聞いてみて行動を決めたい。遅延があれば早めに出たり、路線を変更したり、あとは逆に「ちょっと待つか」ですとか(笑)そういう機能があれば、役に立つと思って作りました。

フィードバックをどんどん生かしていく

ーー開発していて苦労された点などありましたか?

中村氏:電車の路線名をGoogle Homeが上手く認識してくれないことにはかなり苦労しましたね。電車の路線って同じ名前があったりとか、正式名称以外にも略称や愛称など呼び方が複数あったりするんです。私は電車に詳しい訳ではないので、そういった名前を全て認識させるのには苦労しました。今はユーザーの発話記録を見ることができるので、上手く認識できなかった路線名をひとつひとつ調べて改善しています。

ーーたしかに、そういった名称は地域でも種類が多そうです。

中村氏:最初の頃はGoogleからも「路線名がしっかり伝わらなくてエラーになっているよ」といった連絡をもらうこともありました(笑)

ーーGoogleからもそういったフィードバックがもらえるんですね。

中村氏:そうですね、わりと細かい部分までしっかりとフィードバックをもらうことができます。たとえば、ユーザーに路線名を言って欲しいシーンで「もう一度最初から言って」「はい」「いいえ」など路線名と違う回答をユーザーに言われることが続くとエラーになってしまうですとか。そういったエラーや不具合情報も、Googleはきちんと確認して改善するよう伝えてくれますね。

ーーでは、開発側から見てユーザーの想定外のアクションも多いということでしょうか。

中村氏:音声でのプラットフォームはユーザー側の自由度がかなり高いんですよね、その分、思わぬアクションが起こる場合も多いんです。分岐点は無限大にあります。でもそういった想定外のシーンがある場合も、Googleはしっかりフィードバックしてくれました。

ーーユーザーのアクションやフィードバックをもとに、日々改善されているということですね。

中村氏:はい、あとは対応路線の追加も行っています。ユーザーの皆さんが身近に使えるものになるように、開発したあとも修正していっている感じですね。

日々に溶け込んだアプリを

ーー日々改善されているということですが、ユーザーの皆さんからの反響はいかがですか?

中村氏:反響は結構いただいていて、たとえばGoogle Assistantアプリのレビューだと現在は☆5つ中4.4と高評価をいただいています(2018年3月4日時点)。アプリの利用回数で言うと、毎日およそ200回ぐらいでしょうか。

ーー1日200回ですか?かなり利用されているんですね。

中村氏:「定期的に利用してもらえる、日々に溶け込んだアプリを」と思って開発したので、沢山ご利用いただけているなら嬉しいです。

ーー利用回数に変動がある日などはありますか?

中村氏:大雪の日や事故があった日など、電車の遅れが予想される日はやはり多いです。あとは「電車動いてる?」はGoogleさんからも良い反響をもらえていて、GoogleさんにTwitterで紹介された時はグワッと利用回数が増えましたね。1日で1,000~2,000回ぐらいでしょうか。

音声インターフェースの知見を貯めて、新しいものに挑戦していく

ーー新しいアプリを開発されるご予定はあるのでしょうか?

中村氏:そうですね。アイデアがいくつかあるので、今後も挑戦していこうと思います。

砂見氏:あとはGoogle Homeだけでなく、会社でAmazon Echoを購入してAlexaスキルの方でも何か作れないかなとも考えています。Amazon EchoはZigBee(Bluetoothのような無線規格の1つ)といった通信手段もあるので、それを使ってIoTと連携させるなど何か面白いことができないかな、と。

ーーAmazon Alexaスキルもですか。

中村氏:実はAmazon Echoが日本で発売される前に、Fireタブレット(Amazonが販売しているタブレット)にアメリカのAmazonアカウントでサインインして、英語でスキル開発をしたりしていたんです。「電車動いてる?」は路線名を伝えて遅延情報を聞くという形ですが、現在はもっと複雑な会話形式に取り組んでいます。

ーー砂見さんは、今後についてはいかがですか?

砂見氏:今後も新しい技術になるべく早く触れて、知見を貯めていければなと考えています。様々なことに取り組んでいるので、会社としてもそういった知名度が上がれば嬉しいですね。色々なものを作っていければと思っています。

人間の生活に近づいていくインターフェース

ーー今後、スマートスピーカーや音声コマンドは生活を変えていくと思われますか?

中村氏:そうですね…。「さらっと機械と触れ合う」というのは声になっていくんじゃないかなと思います。テレビや電気など、そういう日常的に触れるものはどんどん音声コントロールに変わっていくだろうなと。

ーー声での操作が主流に変わっていく訳ですね。

中村氏:うちは自宅にNature Remo(スマートスピーカーやスマホからエアコンやテレビなどを音声で操作できる学習リモコン)を導入していて。私には4歳と1歳の娘がいるんですが、4歳の娘はもうGoogle Homeでテレビを操作できるようになっているんですよね。「YouTubeでこの番組を再生!」みたいに。

(「Nature Remo」については、詳しくはこちらから。)

中村氏:4歳の彼女がスマホで同じことをしようとすると結構難しいと思うんです。それを見ると、「インターフェースがどんどん人間寄りになっていってるな」と革新的に感じます。生活ってこうやって変わっていくんだろうなというか、今はまだ新しいものでも、すぐに自然になっていくんだろうなと思いますね。

砂見氏:電気メーカーさんとかも注目されていますし、今後発売していく商品はどれも何かしらの形で音声インターフェースに対応していかれるだろうなと。もしかしたら2~3年後には、音声プラットフォームが普通になっていくかもしれません。そしてその時には、スマートスピーカーがスマートホームの中枢になっていくんだろうなと思います。

ーーありがとうございます。最後に、この記事を読んでいただいている方に一言お願いします。

中村氏:今はまだ電車の遅延アプリのような、日常で使える普遍的なものにも空席がある状況です。でもそれは開発を考えている方には逆にチャンスでもあると思っています。今音声インターフェースに触っていくことで、今後生まれる新しいプラットフォームにつながっていくところもあるんじゃないかなと。色々な方に挑戦して触れていってほしいです。

公式サイト:ノックスデータ株式会社

「電車動いてる?」については、詳しくはこちらから。

SmartHacks Magazine 編集部

スマートスピーカーで遊ぶ集団。

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