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料理中にスマートスピーカーが使われるようになった時、DELISH KITCHENが中心でいたい。株式会社エブリーに聞く。

2015年9月の創業からまだ3年目。破竹の勢いで成長を続けてきたレシピ動画メディアDELISH KITCHENを提供する、株式会社エブリーのAmazon Echo対応Amazon Alexaスキル開発についてインタビューしました。

「DELISH KITCHENの簡単レシピ検索」の詳細はこちら▼

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SNSに直接コンテンツを投稿する「分散型メディア」を最初に選んだ理由とは?

株式会社エブリー サービス企画ディレクター 大橋奎哉氏 

ーーAmazon Echo対応Amazon Alexaスキルの開発についてお伺いする前に、まず御社のSNSを利用した拡散の戦略について教えてください。おそらくその延長に、Amazon Alexaスキル開発があるのではないかと思います。

大橋奎哉氏(以下、大橋氏):DELISH KITCHENは、2015年9月の創業と同時にスタートした動画メディアです。最初は、FacebookやInstagramでファンを集めました。今は300万人以上のファンの方がいらっしゃいます。

そのあと2016年の12月にアプリをリリースしまして、1年間で900万ダウンロードされ、今では1000万以上ダウンロードされています(2018年3月時点)。

ーーなぜ、SNSから始められたのでしょうか?

大橋氏:それまでのメディアは自社サイトに情報を集約し、SNSで「ここに見に来てください」とURLを告知する方法が主流でしたが、そのURLを踏んで情報を見にこられる方は、実際にはそれほど多くありません。

そうであれば、皆さんがスマートフォンの中で一番使っていらっしゃるのはSNSですから、そのSNSに直接情報を投稿すれば多くの方に情報を見ていたいただくことが可能です。そうすれば、その後のアプリリリースの際に多くの方からダウンロードされる環境を作ることができるので分散型メディアとしてスタートさせました。

ーー私もFacebookで見た御社のレシピがあまりにも美味しそうで作ってみました。

大橋氏:SNSで興味を持っていただくためには、パッと見た一瞬で「美味しそう」「作ってみたい」と思わせる必要があるので、動画の冒頭にシズル感のある完成カットを見せるようにしています。

ーーレシピ動画メディアの先駆けは、御社ですよね?

大橋氏:国内では最も早くスタートしています。分散型メディアとしても先駆けだったと思います。分散型メディアとして成功したことで、アプリも1000万ダウンロードされました。それにより様々なデータが蓄積し、今のAmazon Alexaスキルにも生かされています。

画像出典:DELISH KITCHEN 現在はHPも用意しているが基本はアプリ利用

コンテンツには自信がある

ーー既存のアプリが大成功されている中で、Amazon Alexaスキルはどのような位置付けで始められたのでしょうか?

大橋氏:DELISH KITCHENのレシピは、すべて管理栄養士や料理研究家などの食のプロによって制作されています。それらをSNSとアプリでこれまで1万件以上配信していますので、コンテンツのクオリティや信頼性に自信を持っています。

ですから、お客様にフィットする形式であれば、メディアにこだわらずに音声デバイス対応にも取り組みたいと考えています。

ーー音声デバイスに新しい可能性は感じられましたか?

大橋氏:はい。広くお客様と接点を持ちたいと思っていますし、どんなきっかけであれ、DELISH KITCHENを知っていただいて、美味しい料理が出来る体験をしていただきたいですから。そのためには、新しいデバイスにも積極的に挑戦していかなければと思っています。

ーー開発で苦労されたのは、どんな点ですか?

大橋氏:ユーザーを丁寧に誘導しようとするとAlexa側の発話が長くなったり、分岐がすごく多くなって、ユーザーにとって利便性の悪いUI(ユーザーインターフェース)になってしまいます。ユーザーのインテント(やりたいことの伝え方)には幅広く対応できるようにしながらも、こちらの流れに沿うように作らなければならないのが苦労した点です。ここはAmazonの担当者の方と密に相談をしながら進めました。

もともと、アプリを運営している中でどんなレシピが人気なのか、どんなキーワードが検索されているのかなどのデータは持っているので、ユーザーが求めるレシピの提案は出来ているのではないかと思います。ですが、そこに辿り着くまでのコミュニケーションの導線を短くすることには苦労しました。

動画は社内の撮影専用スタジオで撮影する

ーーいろいろな方に取材をさせていただいていますが、みなさん会話の構築が大変だったとおっしゃいます。

大橋氏:人間と喋っている時と同じ感覚で返答が来るとAlexaとの会話もストレスがないんです。ただ実際の人間同士の会話は2〜3言で1つのトピックが終わっているため、それと同様にするのは至難の業です。ですが、可能な限りそれに近いものを作りたいですよね。

開発側としては、例外の確認などをしたくなるんですけど、そこを確認すると会話がもう2往復増えてしまうようであれば、切り捨てる決断をするなど、そういう点を大切にしました。

開発ノウハウを持っているAmazonの方に教えていただいたのですが、会話のフローを決めるときも実機とやるのではなく、人間同士で会話をした方がいいとのことでした。我々も実際に2人の人間で会話して、「こうやって返されたらいいよね」と思ったことをAlexaスキルに落とし込んでいきました。

ーー実際に作られたのは、大橋さんですか?

大橋氏:私は企画で、別のエンジニアが1人実際に手を動かしています。

ーーどのくらい開発にかかりましたか?

大橋氏:実際の開発は2〜3週間ほどでしたが、会話のフローを決めるなどの企画の部分にはもっと時間をかけています。

ーーオススメのレシピが提示されますが、それはどうやって決めているのですか?

大橋氏:アプリのデータを活用しています。人によって気になるレシピは異なりますが、アプリの中でどんなレシピがお気に入り登録されているか、どのレシピ動画が良く見られているかなどのデータが蓄積されてくると、多くの人が共通して気になるレシピというものがだんだんと明らかになってきます。Alexaでは、それを紹介しています。

ーー動画と特に違う点はどこでしょうか?

大橋氏:少し質問の答えとは違うかもしれませんが、我々も今のスキルに満足しているわけではなくて、やはり動画があってはじめてDELISH KITCHENのコンテンツの良さが伝えられるのだと思っています。現状はまだ出来ていませんが、最初に料理の完成イメージと必要な食材をアプリに送るなど、音声だけではイメージがつかないところを補う工夫をする予定です。

画像出典:DELISH KITCHEN 美味しそうな完成イメージ

楽しく話していたら献立が決まるようなスキルにしたい

ーー「DELISH KITCHENの簡単レシピ検索」と「DELISH KITCHENのおすすめレシピ特集」の2つをリリースされていますが、どちらのユーザーが多いですか?

大橋氏:両方同じくらいの規模で使っていただいています。特に後から出した、レシピ検索のスキルは緩やかに右肩上がりで増えています。

最初にリリースしたのは、フラッシュブリーフィングスキルの「DELISH KITCHENのおすすめレシピ特集」です。これは、検索などは出来ず、トレンドや季節に合わせて、その日のオススメレシピを数点お知らせするニュースのようなスキルなのですが、一定のお客様に日々利用していただいています。

「DELISH KITCHENのおすすめレシピ特集」の詳細はこちら▼

そのあとに、カスタムスキルの「DELISH KITCHENの簡単レシピ検索」を作りました。

「DELISH KITCHENの簡単レシピ検索」の詳細はこちら▼

ーーユースケースとしては、どのようなシーンを想定していますか?

大橋氏:DELISH KITCHENは、毎日の生活のルーティンの中で、今日のレシピを決めるために使っていただく機会が多いと考えています。毎日の献立を決める時だけではなく、実際に料理を作る際にも、使っていただけるスキルを目指していきます。

ーーユーザーニーズとしては、「献立を決めたい」というものが最も多いんですか?

大橋氏:DELISH KITCHENは20〜40代の主婦の方に多く利用されているのですが、主婦の方の一番の悩みは、料理の作り方が分からないことではなく、「今日何を作ればいいのか分からない」なんです。ですから、DELISH KITCHENは、まずは献立を決める手助けになるような提案をしています。「料理の作り方がわからない」は、その次のニーズですね。

ーー将来的には、キッチンで使っていただきたい、と。

大橋氏:はい。料理をしていると手が汚れるので、レシピを音声で聞きたいというニーズはよく聞きます。実際にそれが可能になる日は、そんなに遠くないと思います。

これからはスマートスピーカーが人々の生活により近くなっていくと思います。たとえば、その人の近くのスーパーのお買い得品の情報を紹介しつつ、その材料から作れるレシピを朝スキルで提案したり、天気情報と絡めて、雨の日などはその住所で利用できるネットスーパーと連携して、レシピを提案から食材購入までシームレスでできたりといったことも可能になるのではないでしょうか。

近いうちに、そういう時代が来ると思いますが、その時にはDELISH KITCHENのスキルが料理系コンテンツの中心でありたいと思っています。

ーー今の課題と今後の展望があれば教えてください。

大橋氏:現状では積極的にレシピを探したい人に対しては、レシピの提案が出来ていると思うのですが、もう少し受動的な人にも最適なレシピを見つけていただけるようにしたいですね。

具体的な材料や料理名が思い浮かばなくても、さまざまな角度から「これだ!」と思うようなレシピを提案出来たり、料理を探す目的でなくても、DELISH KITCHENのスキルで楽しく会話ができる仕掛けを用意し、対話の中で気がついたらレシピが決まっていたという風に出来たらおもしろいと思います。

ーーありがとうございます。

公式サイト:株式会社エブリー

SmartHacks Magazine 編集部

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