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「音声AIアシスタントの未来は、人の時間を増やすことにつながる。」スキル「ぽいもんの森」開発者NISHIZONO氏に聞く。

スキル開発者に聞く、連載第3回は、音声スキル・アプリの開発エンジニアであるNISHIZONO氏にインタビュー。今回はNISHIZONO氏がプライベートで開発されたAlexaスキル「ぽいもんの森」、「クリックビート」、言語学習に役立つスキル「とっさの英語」、「とっさの韓国語」などの「とっさの○○」シリーズについてお話を伺いました。

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プロフィール

お名前:NISHIZONO氏
お仕事:音声スキル・アプリの開発エンジニア

開発したスキルとアプリ:
①ぽいもんの森
音声操作で遊べるRPG風ゲームです。

「ぽいもんの森」の詳細はこちら▼


②クリックビート
Alexaを楽器練習のためのメトロノームとして利用できるスキルです。

「クリックビート」の詳細はこちら▼


③「とっさの〇〇」シリーズ
旅先などで役立つ英語などの言語学習用スキルです。英語以外にもタイ語、韓国語など様々な言語の日常会話を学ぶことができます。

「とっさの英語」の詳細はこちら▼

さまざまな調査と共にスキルを開発

ーー本日はよろしくお願いします。NISHIZONOさんはかなり多くのスキルを開発されていますよね。

NISHIZONO氏:そうですね。「ぽいもんの森」や「クリックビート」、「とっさの英語」、「とっさの韓国語」など「とっさの○○」シリーズもいくつか開発しています。また、「とっさの旅英語」、「とっさの韓国語」はAlexaスキルだけでなくGoogle Home対応Google Assistantアプリとしても公開しています。

ーーその中でも「ぽいもんの森」は、音声で操作するRPGということで非常にめずらしく感じます。何故ゲームを開発されたのでしょうか?

NISHIZONO氏:アメリカで人気のスキルを調査し、「ゲームスキルは人気が出るかもしれない」という結論にたどり着いたんです。アメリカではバットマンの音声を使ったゲームスキルが人気を博しているとの記事を見つけて、色々調べた結果、一定数のニーズがあることに気付きました。

ーー事前の調査まで行われているんですね。

NISHIZONO氏:私は本業ではSIerとして各企業様のご依頼に応じた音声スキルを開発しており、仕事のためにもリサーチしています。業務で開発するスキルの場合、そのスキルが人気になってお客様に喜んでいただけるのが、一番嬉しいことですので。

ーーお仕事で生かすためという部分もあるのですね。

NISHIZONO氏:はい。仕事にも生かせるよう、日々挑戦しています。たとえば「とっさの英語」では、AlexaでMP3を再生することにチャレンジしました。

今後スキルを開発していく中で、お客様から「うちの企業をイメージする音、ジングルを鳴らしたい」とのご要望も出てくるだろうと考えています。そういったご要望をいただいた時に、「どうやったらMP3を再生できるのか?」、「どうすればもっと聞きやすく話せるようになるのか?」といった課題を解決できるよう、調査をかねてスキルを開発しているという部分もあります。

既存のコンテンツ × 音声スキル

ーー「ぽいもんの森」の着想は、どういったものから得られたのでしょうか?

NISHIZONO氏:私が子どもの頃に読んだ本なのですが、謎解きや冒険を楽しめる本があったんです。文章を読んで、「はい」の場合は何ページへ、「いいえ」の場合は何ページへ移動、みたいな。

ーーありましたね!絵柄も入っていて非常に楽しかったのを覚えています。

NISHIZONO氏:音声スキルの仕事をしていて、「これって昔遊んだあの本に似てるな」と感じたんです。二択、三択の中から選択肢を選んでいって、次のステージへ進んでいく……それってあの本と同じなんです。

もしかすると音声AIアシスタントの世界が始まったことによって、そういったリメイクとか、音声と親和性が高いコンテンツにもう一度光が当たるということもあるかもしれないと考えています。

スキルを作ることで「可能性」を魅せたい

ーーさまざまなスキルを開発されていますが、その中で苦労された点はありますか?

NISHIZONO氏:実を言うと、あまりないです。と言うのも、私がプライベートで開発しているスキルって、あえて作り込まないようにしているんですね。

ーー作り込まないように……ですか。何故ですか?

NISHIZONO氏:私はスキルを作る時、「完璧なものを作ろう!」というのではなく、「Amazon EchoやGoogle Homeで、こんなことができるんです」ということを、様々な方に体験していただけることを一番に考えています。

ある意味サンプルやプロトタイプ、モックに近いかもしれませんね。決して完璧なスキルではないですが、あのスキルを見て「これが出来るなら、こうすればもっとすごいことが出来るんじゃないか?」と多くの人に感じてもらいたいんです。

ーーなるほど。

NISHIZONO氏:「ぽいもんの森」も今は戦うことしかできませんが、たとえば魔王軍の拠点へ移動したり、街の中を歩いたりなど、場面展開をするともっと面白くなると思うんです。でも、そこまで作り込むのはひとりの力では難しいし、時間もかかってしまう。だから私のスキルが色々な人の発想の手助けになって、新しいスキルがどんどん世の中に出てきたら嬉しいですね。

たとえば、アイドルなどの音声スキルがあれば若い人にも人気が出ると思います。また、これまでにない新しい音声ゲームが色々と出てくれば、もっと面白くなるのではないでしょうか。そういったアイデアが出てくるヒントになれば嬉しいです。

人気スキルになるために重要なこと

ーー少しお話が戻りますが、NISHIZONOさんは人気スキルに関する調査等もされていると先ほど伺いました。今後はどういったスキルが人気になると思われますか?

NISHIZONO氏:「知名度」と「リピート性」が大事だなと考えています。まずある程度の知名度がないと、スキルを知ってもらえません。現在のAlexaのカスタムスキルの仕組みでは、まずスキル名を知らないと呼び出せないので知名度は必須になります。

もうひとつ重要なのが、リピート性です。「ぽいもんの森」でいうと、ゲームとして面白いと感じてもらえたとしても、あのスキルを毎日利用するかと言われると、少しちがうと思うんです。たまに思い出して使ってみるみたいな。

「とっさの英語」は、本当に英語を学びたい人が何度もチャレンジできるのでリピート性があり、そこが利用してもらえる理由だと思っています。

ーーたしかにそういった点では、学習スキルは有利ですね。

NISHIZONO氏:言語学習はスマートスピーカーと非常に相性がいいと感じています。あとは、天気予報やニュースのように毎日の生活の中に組み入れられるものが人気がでるのかなと思いますね。

たとえば、ポイントカードを導入しているお店って今たくさんあるじゃないですか。そういったお店のニューススキルを毎日使って情報を聞くと少しずつポイントが貯まっていくとか、楽しい情報を聞きながら生活にも役立っていくというのもいいんじゃないでしょうか?

音声AIアシスタントから考える「AIとの共存」

ーー音声AIアシスタントは、日本では今後どのようになっていくと思われますか?

NISHIZONO氏:音声AIアシスタントとの親和性が高い業種や場所があるので、今後も間違いなく進んでいく技術だと思います。もちろん、今すぐ日本全国に普及していくかというと、まだYesとは言い切れません。でも、だからといってなくなっていくような技術でもないと思いますね。

ーー親和性が高いものというと、どんなものをお考えですか?

NISHIZONO氏:たとえばコールセンターとかは、規模によっては何百人もの人材が必要ですよね。それが音声AIアシスタントひとつで済むようになれば、企業にとっては劇的な変化になる。ファストフードチェーンでは、ボタンひとつで音声AIアシスタントを起動でき、会話して注文ができるようになるかもしれません。

今まで働かれてきた方にとっては、別の働き方への変化が必要になるでしょう。でも私は、「音声AIアシスタントが人の仕事を奪う」のではなく、「音声AIアシスタントが人の時間を増やしてくれる」と期待しています。

ーーそれで他のことに時間を注げるようになれば、素晴らしいことですよね。

NISHIZONO氏:そうあってほしいです。また、企業が「AIを活用する必要がある」と考えた時に、音声AIアシスタントはすでに完成されていて「とっつきやすい」というのも良い部分ではないでしょうか。音声AIアシスタントがAIや人工知能と接する入口になればいいですね。

ーー最後に、読者の方にメッセージをお願いします。

NISHIZONO氏:音声AIアシスタントのスキル・アプリって、意外と簡単に作れるんです。特にGoogle Assistant対応アプリは、簡単なものならGoogleのメールアドレスがあればすぐに開発をはじめることができます。興味がある方には、ぜひチャレンジしてもらいたいです。私もお声をかけていただければよろこんでご協力いたします。

仕事でもプライベートでも、楽しみながら音声スキル・アプリの開発を続けていきたいですね。

ーーありがとうございました。今後も楽しみにしています。

SmartHacks Magazine 編集部

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