• HOME
  • インタビュー
  • カーテンを自動開閉するIoT機器の開発秘話とスッキリ起きるコツとは? 株式会社ロビットに聞く。

カーテンを自動開閉するIoT機器の開発秘話とスッキリ起きるコツとは? 株式会社ロビットに聞く。

ロボット開発に注力した創業期を経て「世の中の人が抱える悩みを解決したい」という原点に戻り、「めざましカーテンmornin’(モーニン)」(*)の開発を始めた株式会社ロビット。今や海外からも注文が相次いでいる同商品の開発の裏側を聞いてきました。
*現行品は「めざましカーテンmornin’ plus(モーニンプラス)」です。

スポンサーリンク

めざましカーテンmornin’ plusとは?

「めざましカーテンmornin’ plus」は自動でカーテンの開閉をしてくれるIoT機器です。

めざましカーテンmornin’ plusで出来ること
カーテンレールに設置すると自動でカーテンを開けてくれる機器です。
設定した時間に毎日自動でカーテンを開閉します。
スマートフォンをリモコンのように使えます。

ロボットをつくりビジネスコンテストを総ざらいした創業期

株式会社ロビット 最高経営責任者 高橋勇貴氏

ーー創業時はロボットをつくられていたんですよね。

高橋氏:はい、ロボットは起業する前の大学時代から創業メンバーの4人でつくっていました。今でもSequenceRobot(シークエンスロボット)で調べると昔なつかしい写真がでてくると思います(笑)

ーーハードで起業するのは非常に大変だと思います。

高橋氏:活動資金を稼ぐために出られるビジネスコンテストには全部出ました。東京都の学生起業家選手権や日本全国でやっている起業家甲子園などです。さすがに実際にロボットをつくってコンテストに出る人たちがいなかったので目立ったみたいです(笑)

ーー実際にプロダクトをつくってビジネスコンテストに参加する方はいないですよね。ほとんどがWEBサービス系ではないでしょうか。

高橋氏:ビジネスコンテストで優勝しても事業化させるケースは少ないじゃないですか。だからロボットまでつくっているというヤル気が評価されたのもあって賞を総ざらいできたのだと思います(笑)

そうした賞金と国が出しているものづくり補助金などで最初の活動資金をなんとか用意できたんです。それで2014年に起業して法人登記しました。

ーー御社1階にある設備はそれで揃えることができたんですね。

高橋氏:はい、ハードを事業としてやる上で設備は大事だという考えはあったので。ちょうど国の補助金があったりと機会に恵まれたとも思います。

ーーめざましカーテンmornin’は自社で全部開発をされているとのことですが、製造も自社でされているんですか?

高橋氏:製造は委託先の工場です。当社1階のスペースではさすがに組み立てのスペースが足りません。ただ開発・企画・デザインから量産の一歩手前まで自社で全部行っています。

株式会社ロビットの1階にはiPhoneの製造にも使われる切削加工を行うためのドリルが置いてある(写真右奥)。この機械を搬入できるオフィスを見つけるのが大変だったという。

ーー技術的にはとても難しいことをされているんですよね。

高橋氏:実は、技術的に難しくて今類似商品が出てないんです。特許も取っていますし。カーテンレールにはいろんな形があって均等に力をかけられるのがないんです。

コンシューマー向けに開発しているので価格を抑える必要がありますが、大企業だとそれが難しい。当社のようなベンチャーが1階にある機械を使って開発テストを何回も回して、はじめて1年という期間でユーザーに使ってもらえる価格で製品をつくれる。そういう状況ですね。

高価な機械であるため所有する企業は少ないが、ロビットでは自社所有しているため、めざましカーテンmornin’の型を何度も作り直しながら開発を進めることができた。

ーーそういう意味では設備投資をされていたからこそできた商品なんですね。

原点に戻って睡眠の悩みを解決する

ーー話を戻して、創業のその後について教えてください。ロボットがあまりうまくいかず、他の製品をつくろうということになってめざましカーテンmornin’にたどり着いたということですが、この2つは全然違うものに思えます。どのようなプロセスでめざましカーテンmornin’の開発を始められたのでしょうか?

高橋氏:最初は「ロボットのこの機能を他のプロダクトに転用できるんじゃないか」という形でサービスを切り替えていきました。ただそうしていくと、だんだんユーザーのニーズから離れてきてしまったんですよね。

そこでちょっと原点に立ち返ろうと。「なぜ起業したのか」と4人で考えた時に「自分たち自身が感じた悩みを解決することがやりたかったんじゃないの」と。そこで自分たちの悩みを羅列していったのですが、その時に一番多く挙がった悩みが睡眠に関するものでした。それで「朝スッキリ起きられる商品があったら欲しいよね」ということでめざましカーテンmornin’が生まれました。

ーー2014年に法人登記されて原点に戻られたのは……

高橋氏:2015年です。2014年の1年間は右往左往をして、2015年に原点に戻って、初代めざましカーテンmornin’のリリースが2016年の7月です。この時までは4人でやっていましたが今はインターンも入れて11名います。

代表の高橋氏(左)と創業メンバーで機械・機構設計担当の平野 龍一氏(右)と。

睡眠の悩みからカーテンに着目したのは太陽の光で目覚めてほしいから

ーー睡眠の悩みを解決したかったということですが、なぜそれで目をつけたのがカーテンの自動開閉だったのでしょうか?

高橋氏:睡眠の悩みというと「起きる悩み」と「眠りにつく悩み」の2つがあると思いますが、自分たちの悩みは起きるのが辛いことだったんです。スッキリと起きられる方法を調べたら、朝に太陽の光を浴びるのがすごく体にいいと。太陽を浴びるとメラトニンという睡眠ホルモンの分泌が抑制されて、スッキリと目覚められるということがわかったんです。

でもアラームで起きるのは外敵の襲来で目覚めるのと類似していて、かなりストレスを受けるそうです。それなら最初から太陽の光で目覚めるのがいいだろうし、どうせ太陽の光で起きるんだったら自然光がいいよね、と思ってカーテンを自動で開けられるシステムを考えました。

夜はメラトニンをどんどん出すことが大事なので光はない方がいい。カーテンはしっかり閉めておかなければなりません。起きる直前まで部屋を暗い状態にしておいて良質な睡眠をとれるようにしておくといいんです。適切な時間に太陽光を浴びることで体内時計がリセットされるので次の日の夜も適切な時間に眠気がきます。そうすると良質な睡眠がとれるいいサイクルが生まれます。なのでカーテンを開け閉めできるものがあれば、朝にも夜にもいいのではないかと思いました。

朝スッキリと目覚めるコツ
朝に太陽の光を浴びる(メラトニンを抑える)
夜は部屋を暗くして寝る(メラトニンを出す)
朝、太陽光を浴びて体内時計をリセットし、生活リズムを整える

最初は電動カーテンを使ってみたのですが、まず価格が高い。さらにレールの工事が必要なんです。電動カーテンはホテル向けにつくられていて、一般家庭向けではないんですよ。それで私たちが一般向けに手軽に使えるものをつくろうということでモーニンが生まれました。

「めざましカーテンmornin’ plus」でカーテンを開ける様子▼

ユーザーからの反響は予想以上

ーーユーザーはどのような方が多いですか?

高橋氏:朝起きるのに悩んでいる人で、男性の方が多いですね。

ーー単身の方ですか?

高橋氏:そこまではデータとして追えないのですが、感覚としては一人暮らしの方が多いですよ。

ーーユーザーは新しいものやガジェット好きな方々なのでしょうか。それとも睡眠に関する悩みを解決したいと思っているうちにめざましカーテンmornin’を見つけるのでしょうか。

高橋氏:最初は新しいものが好きな方が買ってくださっていたと思います。最近はカスタマーサポートに来る問い合わせを聞くと、ITやスマートフォンの扱いに慣れていない人もいるのがわかります。Amazonのレビューもどんどん増えているのですが、純粋に睡眠に関する悩みがあるから買ったという方が増えていると思います。

ーーユーザーさんからの反応はどのようなものがありますか?

高橋氏:基本的には朝スッキリ起きられるようになった、よく眠れるようになったというものが多いです。その他、防犯に効くですとか手足が不自由なので便利といった想定外の反応もあります。鬱病や認知症の治療に「光療法」という治療法があるのですが、それを毎朝やるために利用しているという方もいます。カーテンを開けて太陽の光を浴びるというだけでいろんな効果があるんですよね。

ーーそんなに多くの方がカーテンを閉めっぱなしにされているんですね。

高橋氏:私はカーテンを閉めっぱなしにしていたので(笑)、そういう方にはニーズがあると思います。思いの外カーテンを開けない方が多いのかもしれませんが、予想以上の反響がありました。

海外展開とスマートスピーカーとの連携について

ーー今後の展開について教えてください。海外展開も考えられてますか?

高橋氏:はい、Bluetoothを使っているので海外で使うには技適を通す必要があり、今そうした法律周りの認証取得を行っている最中です。これまでアメリカ、欧州、アジア各国から引き合いが来ていまして、ちょうど新しいバージョンのmornin’ pliusの開発中でしたので、それを待ってくれと言っていたところなんです。

ーー海外向けはホテルでしょうか、それとも海外でもコンシューマー向けとしてでしょうか。

高橋氏:ホテルも視野に入れていますが、今はスマホのアプリからしか操作ができないので基本的にはコンシューマー向けですね。そのあたりのユーザー体験をどうデザインしていくのかはこれから検討します。

ーースマートスピーカーへの対応はいかがでしょうか?

高橋氏:積極的に展開していきたいと考えています。たたBluetooth Low Energy(低消費電力)を使った製品なので今現在のスマートスピーカーには対応してないんです。そこはスマートスピーカー側が調整してくれないと難しいですね。mornin’のようにバッテリーを使っている場合、通信に使う電力を無視できないので。

ーー今は電池で動いていますよね。

高橋氏:単3電池3本で動きます。これで1年以上は持っています。新しいmornin’ plusはパワーが大幅にあがっているので公称では6ヶ月持つと言っています。

ーーWi-Fiに対応するとスマートスピーカーと連携しやすくなりますが、それは難しいんですよね。

高橋氏:Wi-Fi対応すると電池の減りが速くなりますし、対応させるだけで価格が数千円跳ね上がってしまうんです。こういうIoT製品と連携できるようにするとスマートスピーカーの用途を増やすとは思うんですけどね。

ーーそうですよね。スマートスピーカー側の進化も待たれますね。今後を楽しみにしています。どうもありがとうございました。

公式サイト:株式会社ロビット

SmartHacks Magazine 編集部

スマートスピーカーで遊ぶ集団。

記事一覧

スマートスピーカー対応アプリの開発にご興味がある方はお気軽にご連絡ください。

お問い合わせフォーム

スポンサーリンク

ピックアップ記事

関連記事一覧