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Google Assistantを採用した理由はいち早く高品位なユーザー体験を提供するため。ソニーに聞く。

2017年12月にソニーから発売されたGoogle Assistant搭載のスマートスピーカー「LF-S50G」は、音質の良さとジェスチャーコントロールができるところが特徴です。今回は、ソニーがスマートスピーカーを発売した狙いや今後の音声AIアシスタントへのプロダクト対応などについてソニー株式会社 広報・CSR部 グローバル広報グループ 沼田嶺一氏にお伺いしました。

画像提供:ソニー。ソニー製スマートスピーカー「LF-S50G」。カラーはブルーの他、ホワイトとブラックの3色展開。

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スマートスピーカー発売を決めた2つの理由

ーーまず、スマートスピーカーを御社から出された理由をお聞かせください。

沼田嶺一氏(以下、沼田氏):理由は2つあります。1つは市場動向の変化です。弊社は海外でもワイヤレススピーカーを販売していますが、既にアメリカなどでは、ワイヤレススピーカー市場においてスマートスピーカーが占める割合が増加しています。この傾向は今後も続くと考えて、弊社からもスマートスピーカーを出そうということになりました。

もう1つは、音楽の聴き方の変化です。これまでのワイヤレススピーカーですとスマートフォンから操作しなければなりませんでしたが、スマートスピーカーの場合は音声で手軽に指示が出せます。それに伴い音楽の聴き方もより手軽かつ身近なものに変わってくるはずです。スマートスピーカーを発売することで、これまで音響機器を開発してきたソニーとして、スマートな音楽の楽しみ方、新しいユーザー体験を提供していきたいと考えています。

ソニー株式会社 広報・CSR部 グローバル広報グループ 沼田嶺一氏

ーー音楽を聴くためのものとしてスマートスピーカーを出されたということですね。

沼田氏:そうですね。主目的は、”音楽を聴くこと”です。実際にアメリカでは多くの方が音楽を聴くためにスマートスピーカーを使っています。そこで、これまで当社で培ってきた音響技術を詰め込み、高音質のスピーカーを実現しています。そこにGoogle Assistantも搭載することでより高品位なユーザー体験を提供できるのではないかと考えています。

上向きのフルレンジスピーカーと下向きのサブウーファーが内蔵され360度に音を放出する。

ソニーのAV製品群との連携をスムーズにするためにGoogle Assistantを採用

ーー今回、AIアシスタントはGoogle Assistantを採用されていますが、御社には独自に開発されたAI、Assistant for Xperia(アシスタント フォー エクスペリア)がありますよね。なぜスマートスピーカーにはGoogle Assistantを採用されたのでしょうか?

沼田氏:これまでもソニーのAV機器としては、Googleのプラットフォームに対応した製品を発売してきたことが1番の理由です。Chromecast built-in(クロームキャストビルトイン)を搭載したワイヤレススピーカーやサウンドバー、AndroidTV機能を搭載したテレビのBRAVIA(ブラビア)などを販売してきました。

Chromecast built-in搭載のものでしたら、スマートフォンからの操作でストリーミング音楽を聴くことができますし、AndroidTV機能を搭載しているものでしたらYouTubeをテレビで見ることができます。

こうした機器とスマートスピーカーを連携させれば、音声操作もすぐにできるようになります。当社の他製品との組み合わせを考えた時に、いち早くよりスマートなユーザー体験を提供できるのがGoogle Assistantだったということです。

実際のところBRAVIAでは、その後、Amazon Echoへの対応も始めています。アメリカとイギリスで発売しているBRAVIAはすでにAmazon Alexaに対応しています。Echoシリーズから音声コマンドで電源オン・オフ、音量コントロール、入力切替などの基本機能をコントロール可能です。日本でも2018年内にアップデートで対応する予定です。

ーーソニー製品で揃えている方はすぐに連携できて便利ですね。とはいえ、日本企業であるソニーさんには独自のAIでスマートスピーカーをつくってほしいという気持ちもあるのですが、今後そういう可能性はありますか?

沼田氏:ソニーモバイル(ソニーモバイルコミュニケーションズ株式会社)でAssistant for Xperiaを搭載したスマートプロダクトを発売しています。今後、ソニー独自のAIでスマートスピーカーをつくるかどうかはここでお話することではありませんが、判断基準としては、ユーザー体験として良いものを提供するにはどのような形がベストかということになります。

ソニーとしては、各プラットフォームに対するスタンスはニュートラルです。ですが、Googleのプラットフォームに対応した他の機器との連携ができる点に加え、グローバルの対応の速さ、音声認識の正確性などを考慮し、まずはGoogle Assistantを搭載しました。

ーーなるほど、たしかにグローバル対応を考えるとそうなりますね。ちなみに御社のスマートスピーカーは欧州でも発売されていますよね。

沼田氏:はい。アメリカとヨーロッパでは同じものを発売しています。また、中国ではAIアシスタント「DingDong」を搭載し、カラーバリエーションやデザインを中国向きに変更したスマートスピーカーを発売しています。

Google Homeとの違いは、ハード面にあり

ーーそれではGoogle Homeとの違いについて教えてください。

沼田氏:基本的にAIが出来ることは同じになりますので、違いはハード部分になります。まずは、360度音が出るような構造になっています。スピーカーの前後左右、どこにいても同じ音質で聴くことができます。

カバーを外すとスピーカーが見えます。実際に聴くと音質の良さがわかります。

沼田氏:それからジェスチャーで操作ができるようになっています。スピーカーの上面にセンサーがついていますので、ここに手をかざしたり、指で円を描いたりしてコントロールできます。

具体的には、背面から前面(時計表示がある面)へ上部を覆うように手をかざすとGoogle Assisantが起動しますし、前面から背面に手をかざすと音楽が止まります。音量を大きくするには、スピーカーの上で時計回りに円を描きます。反時計回りにすると音量が小さくなります。

ーー「OK、Google」と言うのが恥ずかしい時や、静かに起動をさせたい時はいいですね。ここまで御社スマートスピーカーの特徴を教えていただきましたが、反対にGoogle Homeにしか出来ないことなどはあるのでしょうか?

沼田氏:ありません。同じ音声AIアシスタントを搭載していますので、そこは全く同じだと思っていただいて大丈夫です。

ーー他の家電との連携も同じでしょうか?

沼田氏:そうですね。既にお話ししたように、当社のワイヤレススピーカーやサウンドバーでしたら、スマートスピーカーから音楽を流す時に、どのスピーカーから流すか選ぶことができます。また同時に音楽を流すマルチルーム機能もご利用いただけます。また、こちらのスマートスピーカー自体をスマートフォンなどとBluetooth接続して、ワイヤレススピーカーとして使うこともできます。

音質の良さでユーザーに選んでもらう

ーーユーザーの反応について教えてください。

沼田氏:音質が良いという声をよくいただいております。

ーーワイヤレススピーカーの購入を考えている方が買われるのでしょうか?

沼田氏:いえ、スマートスピーカーとしてご検討されている方に音質の良さで選んでいただいているようです。

ーーそうすると御社としては従来のワイヤレススピーカー市場にプラスしてスマートスピーカー市場が広がったということでしょうか?

沼田氏:はい、そうです。

ーーお客様が聴き比べるとしたら、家電量販店になりますよね。

沼田氏:そうですね。「LF-S50G」だけでしたら、ソニーストアでも実際に試していただけます。

ーー他のスマートスピーカーを使ったことのある方でしたら音質の良さはすぐわかると思いますが、聴き比べるなら家電量販店ですね。ところで、デザインの良さも目を惹きます。

沼田氏:ありがとうございます。最近のインテリアのトレンドから少し灰色がかったトーンにしています。

また、下部が鏡面のようになっているのですが、これはスマートスピーカーを置いた時に、環境の色や家具の色を写し込んで、空間と馴染む狙いがあります。板目のところでしたら、板目が反射して綺麗に馴染むように工夫をしています。

ーーそこまで考えていらっしゃるのですね。

沼田氏:デザインも弊社の魅力の1つと捉え、ハード面での違いとして出していきたいと考えています。

今後の展開は? ディスプレイ付きスマートスピーカーを検討中

ーー今後Amazonの音声AIアシスタントであるAlexaを搭載したスマートスピーカーを出される予定はありますか?

沼田氏:各社のプラットフォームに対してニュートラルであるという立場ですので、商品性や市場性を鑑みてスマートスピーカーもAmazon Alexaに対応する可能性はあります。

ーーそうなんですね。今後御社のプロダクト全般に対してAIアシスタントを積極的に載せていこうという考えはお持ちなのでしょうか?

沼田氏:弊社のワイヤレスヘッドホンのGoogle Assistant対応を予定しています。またソニーモバイルでは既にAssistant for XperiaとLINE Clovaに対応したXperia Ear Duoを発売しています。

ーーXperia Ear Duoの製品発表にはお伺いし、記事を作成させていただいています。

沼田氏:ありがとうございます。ソニーモバイルも既に対応を進めていますが、ソニーグループとしては、従来から得意としてきた映像・音響技術、センサー、メカトロニクスなどの技術を、AI、ロボティクス、通信技術などと組み合わせて、エレクトロニクスの場を広げる新たな提案を行いたいと考えています。

Xperia Ear Duoの記事はこちら▼

沼田氏:それからGoogleからは既に発表されていますが、ソニーもディスプレイ付きスマートスピーカーの商品化を検討中です。

ーー御社のテレビの技術が生きますね。ディスプレイ付きスマートスピーカーが出るとテレビとスマートスピーカーの違いがなくなってきそうです。

沼田氏:テレビは大画面、高画質・高音質で臨場感を提供するものであり、全く違うものだと考えています。ディスプレイ付きスマートスピーカーは、ご家庭に置く情報ディスプレイの1つと捉えていただくという風になるかもしれませんね。

現時点で決まっていることはありませんが、弊社としても、より良いスマートライフをサポートしていければと考えています。

ーー楽しみにしています。今日はどうもありがとうございました。

公式ページ:ソニー スマートスピーカーLF-S50G

SmartHacks Magazine 編集部

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