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家族はGoogle Homeをどう使っている!?マイアクティビティを分析してわかった11のこと。

「OK、Google 今何時?」「OK、Google 今日の天気は?」いつもなんてGoogle Homeに話しかけていますか? 

何気なく話しかけた言葉が、実は全部アプリに記録されていることをご存知でしょうか? この履歴(マイアクティビティと言います)を見れば行動が丸わかりなのです……! 

今回は、4人家族の伊東春菜さん(株式会社WHITE)が、1ヶ月間家族のマイアクティビティを分析し、家族がどうGoogle Homeを使ったのかを丸裸にしたということで取材させていただきました。貴重な資料であることは間違いないですよ!

株式会社WHITE 伊東春菜氏。入社2年目ながらVUIについて様々な場所で発表する期待の若手。普段はプランナー/UXデザイナーとしてアプリ開発に携わる。

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お母さんの声が再生できるのが面白い。きっかけはお母さん!

ーー今日はよろしくお願いします! 家族のマイアクティビティを全部分析するなんて、めちゃくちゃ面白いですよね。どういうきっかけで、やってみようと思ったのですか?

伊東氏:ある日マイアクティビティでお母さんの声が再生できることに気がつきました。そうしたらこっそりお母さんの声を再生するのが面白くて(笑)。

ーー(笑)。たしかに、Google Homeに話しかけた内容がマイアクティテビティに全部記録されていて、なおかつGoogle Homeに話しかけた当人の声まで再生できると知ったときは私も驚きました(笑)。

(マイアクティビティについてはこちら▼)

Google Homeアプリを開いて、「三」をタップすると「マイアクティビティ」が出てきます。(画像出典:伊東氏作成資料より)
アクティビティを開くと、話しかけた内容だけでなく音声の再生まで出来ます。(画像出典:伊東氏作成資料より)

伊東氏:それでお母さんの声を面白半分で再生していたのですが、だんだんこれは“実際のユーザーがどう使っているのかが分かるデータだ”という風に見方が変わっていきました。

そこでお母さんから家族に視点を移して家族がどういう風にスマートスピーカーを利用しているのかを分析したらアプリ開発の役に立つんじゃないかと思うようになりました。

ーーGoogleやAmazonがとっているデータは公開されていませんから、リアルなユーザーがどう使っているのかがわかるデータは貴重ですね! ちなみに家族のデータを公開しちゃっても大丈夫ですか?

伊東氏:大丈夫です(笑)

4人家族1ヶ月分のデータをスプレッドシートに書き起こし!

それではデータ分析を見る前に伊東家の皆さんをご紹介します。

伊東家とGoogle Homeの関係
Google Home……1台。伊東家に来て6ヶ月ほど(2018年4月末時点)。アカウントは全て伊東さんに紐づいている。
母……専業主婦。Google Homeは話し相手。
父……会社員。Google Homeに無視されがち!?
弟……大学生。Google Homeのことが嫌い。

データ分析については次の方法をとりました。

データ分析の方法
1ヶ月分のマイアクティビティを手作業でスプレッドシートに書き起こし。
発話者は音声を再生して特定。
書き起こし内容は、時間、発話者、どんな会話をしたのか。
1ヶ月分の行動記録。家族全員分の時間帯と誰が何を聞いたのかが一目でわかる。(画像出典:伊東氏作成資料より)

データからわかる6つの使い方

それでは、どんなことがわかったのかご紹介します。

①1日10回以上も使うヘヴィユーザー

伊東氏:1日2〜3回使う人が多いようなので、1日10回以上使っているのはヘヴィユーザーです。使っているのはお母さん。ITには全然強くありませんが、そういう人でもVUIは慣れると使いやすいみたいです。

画像出典:伊東氏作成資料より

②同じものばかり使う:「タイマー」「時間」「天気」「ただいま」

伊東氏:お母さんはよく「今何時?」とGoogle Homeに聞いています。時計を見ればすぐわかるのですが、声で答えてくれるのが可愛らしいみたいです。それから料理中にはよくタイマーをかけています。同じ機能ばかり使っていますね。

画像出典:伊東氏作成資料より

③習慣化しないと使わない:「ただいま」は言うけど「行ってきます」は言わない

伊東氏:「ただいま」もよく言っていますが、「行ってきます」は言わないのが面白いです(笑)。習慣になったら使うし、習慣にならないと使わないということがよくわかります。

画像出典:伊東氏作成資料より

④質問履歴からわかる行動:旅行に行ったことがバレる

伊東氏:書き起こしをしてもらったアルバイトの子に「ねぇねぇ春菜ちゃん、お母さんたちGWに伊豆に旅行に行ったでしょ?」と言われて、びっくりしたんです。「そうだよ、なんで知ってるの!?」って。

GW前に伊豆の天気を聞きまくっていたんです。履歴から行動を読めますから、他人にアカウントを渡しちゃったら大変ですよね!

画像出典:伊東氏作成資料より

⑤質問履歴からわかる行動:弟がこっそり使っていたことがバレる

伊東氏:旅行に行っている間に使っている人がいたのですが、まさかの弟でした。人前でGoogle Homeに話しかけるのが恥ずかしいみたいですが、人がいなければ使えるんだということがわかりました。

画像出典:伊東氏作成資料より(一部編集部改)

⑥お父さんの無茶振りをきっかけにお母さんも使うように

伊東氏:ある日を境にお母さんがGoogle Homeに何回も「面白い話をして」と言うようになったんです。そのきっかけは、お父さんが「面白い話をして」と無茶振りしたことです。無茶振りだと思ったのにGoogle Homeが答えてくれたのを見て、気に入ったみたいです。

お母さんは習慣になったことしか使わないのですが、他の人がやっていることを見て良いと思えば、新しい習慣として取り入れることがわかりました。

画像出典:伊東氏作成資料より

データ分析から見えてくる5つのこと

データをとった目的は、今後のアプリ分析に活かすことです。伊東さんにデータから読み取れることをまとめてもらいました。

①新しいアプリとの出会い方が大事

伊東氏:お母さんに「レシピのアプリがあるよ」と勧めても使ってくれません……。私とか誰かが実際にやっているのを見ないと、自分でも使おうとしない。だから、新しいアプリを知ってもらうためのアプローチの仕方を考える必要があると思います。

新しいアプリを出したらプレスリリースを打ちますが、そういうリリースはお母さんは見ないだろうし。実際に誰かが使っているのを見た方が印象に残るようなので、使っているところを動画で流すなど、工夫が必要だと思います。

  • 誰かが使っている姿を動画で流すなど、アプリに出会ってもうらためのアプローチ方法に工夫の余地がある。

②家はプライベート空間。家の中におけるスマートスピーカーの位置付けで使い方が変わる

伊東氏:家ってすごくプライベートな空間なので、そこにスマートスピーカーがどういう存在として馴染むかが大事なんだなと思います。ユーザーによってスマートスピーカーの位置付けが異なって、それによって話しかけ方や関わり方も変わってくるんです。

たとえば、お母さんはGoogle Homeはペットみたいな話し相手だと思っています。だから、Google Homeに話が通じなくても「わかんなかったよねぇ、ごめんねぇ」という感じで、可愛いと思って受け入れられるんです。

でもお父さんはGoogle Homeを新参者だと思っていて、まだ心を許していません。そのせいか、話しかける時はわざとおちゃらけて話しかけます。それに便利なモノのはずだと思っているから、話しかけて「分かりません」と答えられると、「使えないな」と思って話しかけるのを止めちゃうみたいです。

  • 父:Google Homeは新参者。便利なはずなのに使えない。
  • 母:Google Homeはペット。お馬鹿なところも可愛い。

ーーGoogle Homeをどういうものだと認識しているかで対応が変わってくるんですね。そうすると、LINEのCLOVA friendsシリーズなどキャラクター型スマートスピーカーには意味があるのかもしれませんね。

伊東氏:あると思います。家の中でスマートスピーカーが何者なのかという位置付けがしやすくなりますから。

  • 家の中でスマートスピーカーの位置付けは「便利なAI」だけじゃない。「ペット」「新参者」「友達」「家族」などいろいろなイメージを持たれる可能性がある。

③スポットスポットで使っている

伊東氏:使っている回数は多いのですが、使っている時間は長くないんです。たとえば「ただいま」もそうですし、「面白い話をして」と言ってもGoogle Homeが長々話すわけじゃないですよね。一言、二言です。

テレビやスマホの画面なら注視できますが、VUI(ボイスユーザーインターフェイス)だと数分も集中して聞いていられないんですよね。1回のやり取りは、ジャストセンテンスが最適かもしれません。

  • VUIは短いやり取りに向いている。

④広告と紙一重? マイアクティビティを分析すれば興味あるものはすぐに分かる

伊東氏:データから伊豆の旅行がわかりましたが、マイアクティビティを分析すれば、行動や趣味嗜好、どういった情報に興味があるかまで丸わかりです。Google Homeを起動している時間も分析すれば生活リズムも分かります。

「③スポットスポットで使っている」にもつながりますが、VUIは短い時間しか聞いてられないので、質問の回答は、ベストのものを1つお勧めするようになると思います。たとえば、「今日の献立は何がいいかな?」と聞いたら、冷蔵庫にある食材、家族の好きなもの、アレルギー体質など全部を把握したうえで、1つを提案してくれるようになると思います。

もしそれが可能になったら、広告と紙一重ですよね。広告と広告ではないもののバランスが大事なのかなと思いますが、将来広告が解禁されていったらどうなるのか、とても楽しみです。

  • スマートスピーカーが全てを把握した上でベストなものを1つ提案してくるようになるのでは?

⑤“見守り”に使える

伊東氏:今回、データを分析して思ったのは、遠く離れた独居老人などの見守りにマイアクティビティは使えるなぁ、ということです。たとえば、病気についてGoogle Homeに聞いていたら、「体調はどう?」と電話をすることもできます。ただプライバシーを守るためにはアカウントは別にした方がいいですね(笑)

  • 見守りにも使えるけれど、プライバシーのためにはアカウントを分けましょう!

まとめ:もっといろんな家族のマイアクティビティを知りたい!

ーーとても面白い分析でした。今後はどういうことを考えていますか?

伊東氏:スマートスピーカーと日本人がどう関わっていくのか、想像と実際ではギャップがあると思います。たとえば、お母さんとGoogle Homeは信頼関係があるけれど、お父さんはまだ緊張しているとか。そういう1人のユーザーにスポットを当てて、モノと人間がどういう関係性を築いているのかをもっと知りたいです。

私は今回1ヶ月分をスプレッドシートに書き起こしてやりましたが、分析手法もいろいろあると思いますし、他の人にマイアクティビティの分析をやって欲しいです(笑)。

ーー私も知りたいです(笑)。今日はどうもありがとうございました!

SmartHacks Magazine 編集部

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